(パンフ続き)萌は単身ミラノに留学するが、なかなか上手くいかず、落ち込んでいた。一方、史緒は神野との婚約により、順調なウィーン留学をしていた。旅立って数ヶ月後、"インヴォケ"がネットで出回り、急遽CD作成のため、三人が集められる。帰国後、史緒の現状を知った萌は、史緒に怒りのあまり飛びかかる。幸いにも命に別状はなかったものの、自分のしたことに対して、後悔する萌。しかし、蘭丸に『謝るつもりはない』と言い、ミラノに戻る。
数年後、ウィーンでオペラを勉強する史緒は『ばらの騎士』の主演を努める。そこにベティのワールドツアーでウィーンに寄る蘭丸。"結婚"という形式以外で、愛してると告げ、史緒にキスをするが、それを神野が目撃。史緒を信じているものの、ミラノで呑んだくれる神野。そこで偶然、萌と会う。まだ歌うことを続けている萌は神野の前で歌を歌い、"歌に復讐すること"から吹っ切れるが、そのまま、神野と一夜を共にする。
数ヶ月後、結婚式の準備に追われる史緒と神野。一方、萌はSRMの新作"ライフ"を口ずさみ、その腹には神野の子を身ごもっていた。
式当日、神野は萌が出産した自分の子供の事、萌が乳がんで余命数ヶ月である事を知る。その子供を育てるために、史緒に別れを告げる神野。そこに萌が登場し、二人に迷惑をかけられないと辞退するが、史緒は自ら萌の子を育てることを誓う。萌と史緒は最後に"ライフ"を歌うが、萌はそのまま臨終。死後、大切な友人であることを確認し、幕。
パンフ順(あいうえお順)
佐々木。コミカル路線はイケるが、シリアス路線は難あり。そもそも、どういう経緯で抜擢?ピアノの弾き振りに関しては見えない位置だったので、なんとも。
笹本。正統派オペラ歌手ということで、珍しく基本キーが高め。それゆえ、オペラ歌唱の"インヴォケ"は目立たない。"ライフ"はミュージカル歌唱な上、若干キーを下げているので、本人に合った本来の歌い方。顔を汚すような役しか観たことがなかったので、お嬢様演技が新鮮。そして、違和感なし。身長が高く見えるのは、靴のせい?
鈴木。基本、冷徹キャラだが、それが妙にハマる。それゆえに、時折出てくるコミカル演技で、ここは笑う処なのかが悩む。
新妻。役に合っているというのもあるが、こちらの役の方がかなり魅力的。貧乏から這い上がっている感が似合う。そして、笹本と比べると声の伸びもこちらの方が強いような。
内容は昼ドラ。そして、全てがお約束通りに進んでいく。ちょっと、展開があまりに古典的なので、『ガラスの仮面』を思い出した。
この舞台を観た時"歌の新妻、演技の笹本"というフレーズが頭に。実際、二人で歌っていても"インヴォケ"は新妻を引き立てるような構成になっているし。笹本がミュージカル歌唱で歌っていないこともあるが、この曲を聞く分には、新妻の方が上手いのでは?と思わせる。ただ、曲そのものが自分の好みに合っているということもある。
勿論、"ライフ"は笹本メインの曲になっているが、イマイチ好みに合わない。また、笹本の演技が良いかといわれたら、それほどでもないけれど、舞台を観る分には史緒という役は体現していると思う。
そして、この二人で史緒と萌、逆パターンを観たくなった。
一幕が始まる前に劇中のコンクール決勝がこれから始まります的なアナウンスがあり、微妙に細かい。
(以下、観劇後、その日に原作を読んでの比較)
流石、大石静。ポイントを抑えた編集と改変。全編通しても、萌の方がオイシいキャラ。そして、これを完全に体現するのは新妻では無理のような。
勿論、時間的制限もあるし、たかだか三時間で、黒と白の萌を表現する事は無理。他の適役も思いつかない。それでも、もっと合いそうな人選を考えてしまう。
原作を全部読んだ時、安田成美と中森明菜のドラマ『素顔のままで』を思い出した。