角野。これまで(゛泪゛含む)の江戸っ子キャラから一転、生真面目キャラ。一幕ではかなりイメージ通り。ニ幕は役の性質上、あれ以上の役にはならないが、角野氏に合わせると、ああいう描き方になるかも。
藤谷。相変わらずの娘キャラ。そして、歌うシーンは一ヶ所しかないのに、短調の曲を微妙に歌う。
辻。犬塚氏が演じた三役では一番動く。これは辻氏再演用演出?また、犬塚氏をかなり意識した方言演技のような。若干、すまけい路線も。それでも、木場氏演じた前ニ役とはかなり違う路線。こんなにカツゼツの良い老け役というか父親キャラになるなら、前ニ作も観たいが、辻氏主演で゛裂け目゛と゛痂゛も観たい。
三田。相変わらず、ハキハキ。一体幾つの設定?
熊谷。歌要員?署長の相手役として出てくるが、それ以上はなし。
石田。この役も、あまり前に出てこないが、大鷹氏が演ると変わるか?
神野。相変わらずカツゼツが良いが、役的にキムラさんのお色気路線のため、これをやるには年寄りくさい。ある意味、新鮮ではある。
福井。工場員。これまた、チョイ役。なのに、最後には友子の相手役に。
小林。男性の役では、比較的出番・存在意義あり。これは、初演の高橋氏の事務所力によるもの?なんであれ、小林氏がここまで、クローズアップされる役は珍しい。セリフ廻しが棒読みチックになる脚本もあったが、今回は自然な読みに。井上脚本のセリフ廻しと小林氏のセリフの言い方が合うのかも。
今回は東京裁判三部作で一番ストレートに戦争責任が問われた内容。゛天皇行幸゛がテーマになっているだけに、直接、天皇に対して、戦争責任を問う内容に。そのため、サブストーリー的なものが前ニ作に比べ少ない。その代わり、主語と守護をかけた韻を踏んだ問いかけなど、他の井上作品に見られる言葉遊びが登場。ただ、゛痂゛という言葉は最後に歌詞で出てきただけ。その代わりに゛屏風゛という天皇を庶民から隠す小道具が冒頭とエンディングに多数登場。特に、エンディングの屏風のハケ方は秀逸。痂=屏風で、戦争責任を屏風で隠すという意味なのか、天皇と庶民の境界線的で使われただけなのか?それとも戦争という膿が出た後の゛痂゛なのか?
メイン二人が初演の二人だからか、観ていてしっくりくる。もちろん、三田さんの年齢でこの役を宛てるのはどうかと思うが、角野氏とのバランスは丁度良い。(゛裂け目゛の土居さんとの年齢差があまりにあったので)冒頭歌に徳次の半生、エンディング歌に絹子の半生と綺麗にまとまるし。
曲は何時ものクルト・ヴァイルの曲に加え、スコットランド民謡が追加。舞台が山形のため、フォーク要素あり。