松。とにかく喋り倒す。『これでもか』というくらい喋り倒す。かなりワガママな妻だが『決して、自分は悪くない』というスタンス。松が演じるからそれが許されると思うのかと思うのは贔屓目?『オケピ!』でみられた周りの人の振り回す役設定がより強調されたカンジ。『ケラ演出かな?』と思わせる部分は、あまりにも当然の如く渡辺氏に向かって『豚』と言い放つくらいか。それでも、ストイックな役を演じる時にみられる『何を演じても松たか子』度は低く、いい加減なキャラを演じることで、何か新鮮さを感じた。劇中、不謹慎というセリフをフシンキンと言ったが、これは言い間違い?
段田。かなりのダメ男。ドラマなどでたまに浮気に走る夫役を演じることがあるが、それとは別な女タラシのような能天気のような性格。それがケラの世界観にマッチ。ただ、おおらかな役設定から、渡辺氏が演じても似合いそう。
渡辺。こういう煮え切らない、それでいて何かと世話を焼く役が妙に合う。前回の『ヘンリー六世』はあの長台詞がイマイチ決らなかったが、こういったコメディでは何故かしっくりくる。皆から『豚』と言われるとかなり落ち込む演技が妙にツボ。普段のケラ作品だと、大倉系の役回り?コチラの役を段田氏が演じても、世話役的なモノが合いそう。
西尾。ネイルアーチスト。しかし、出演は一幕の冒頭のみ。話し方に聞き覚えがあるものの、何処でみたのやら。ナニブン、出演時間が短いので分からず。
皆川。良く考えると、なぜこの座組で参加?もちろん、登場するだけで、確実に笑いを持っていくが、それだけに勿体ない役。途中で衣装が変わるが、それに意味があるのやら。下心ミエミエの成金だが、それを氏が演じると妙にしっくり。
新橋。主人公の母親役はこれで二度目。最初はヴィクトリアの母親にしては、キャラが弱いかと思ったが、最初から全ての事情を知っている役であり、それゆえのヒステリックになるさまが凄かった。
池谷。女芸人風味の過剰なマダム演技。もちろん、それはそれで良いのだが、その後、切れるとは。その切れ方は犬山さんあたりがやっても想像出来るのは、ケラ演出だからか?
猪岐。大森氏の代役。こちらは理路整然と喋り倒す。多分、大森氏がこの手の弁護士を演じたら、妙に胡散臭くなると思うが、氏が演じることで、事務的な役に。
水野。年齢不詳。老け役だが、あのメイクは独特。特殊な拘りを持ち、レスターと対になる役と感じた。
脚本のどのあたりまでをケラが手を加えたのかが気になる。今回は人の欠点をネチネチ責める笑いでなく、畳み掛ける笑い。そのため、いつものケラの雰囲気と違うが、これはこれでオリジナル作品の様に感じてしまうのは、ケラの世界観に合っているからか?
段々、照明が落ちる演出はバックに出演者の影が写り、不安感が高まりかなり雰囲気がでる。
普通に二幕モノだったら、途中で寝る。それを一幕45分とスピーディーに繋いでいくので、飽きずに観られたかも。