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 ていうか終盤ずっと泣いてたから軽く泣き疲れ…。。人生史上一番好きなドラマシリーズかもしれません。未だかつてドラマでここまで心を震撼され、毎週のように感涙したことはないです。本当に素晴らしい作品でした。

 江戸末期、現代よりも物がなく不安定な時代で、現代よりも心が豊かで志高い人々に囲まれ、苦悩しながらも様々な事を考え学んでいく仁先生の物語に、今も思い出し泣きして涙目なほど感動。視聴率がものすごく高かったのは、現代人である仁先生と幕末の人々との心の交流から生まれる深いメッセージ性が多くの心をとらえたからじゃないかと思います。

 キャスティングも抜群に良かったし、登場人物は人間味に溢れていて全員好きでした。ただ台詞を言うだけじゃない、魂の底から押し出すような濃厚な演技で心を掴まれぐいぐい引き込まれるような。人の心以上に、日本人の魂のようなものを感じるレベルというか…こんな感覚に陥るのは初めてでした。

 中でも私が一番好きな登場人物は、綾瀬はるかさんが演じる橘咲さん。咲さんは仁友堂で助手として医学を学び、仁先生に強く心惹かれながら献身的に支えていく人物。咲さんのような心が美しい人格者は、多分現実には(滅多に)いないんじゃないかと思います。そう思わせるほど芯が強く、賢く、愛情と気品に溢れた女性。
 ずっと慕っている仁先生に対して、自分の願望よりも相手の幸せを考えられるような、恋とか愛を超越した高貴で深い愛情を注ぎ続ける姿は、毎回胸にぐっときました。
 最初から最後までずっとプラトニックだしね。。感極まって抱擁するシーンはあったけどキスシーンはない。それがより咲さんの純真な愛情が更に強調されて良かったと思います。
 こんな人には絶対なれないけどこうなりたいとか、こんな人が身近にいたら絶対好きになりそうだとか、性別を超えた人間としての魅力を感じました。咲さんは美しい。綾瀬はるかさんが綺麗っていうのもあるんだけど外見の問題だけじゃなく…本当の美しさは化粧する事でも着飾る事でもなく、心や生き方から表情や所作に表れるなと。。
 そういう意味でも、中谷美紀さん演じる野風さんも素晴らしく気品があって美しかったですね。
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野風さんが無事出産した赤ちゃんを抱きながら
「あなたはね、私の恋仇をお作りになる方なのですよ。
私としたことが、大変な方を取り上げてしまいました。
あなたに、一つだけお願いがあるのでございますよ。
どうか南方仁という方に、傷つくことが多いあの方に、誰よりも幸せな…
今度は誰よりも幸せな未来を、与えてさしあげて下さい。」


 そして私が歴史上の偉人で最も好きな人物、坂本龍馬。今迄様々な龍馬像を見てきましたが、このドラマの中で内野聖陽さんが演じた龍馬ほど、イメージにしっくりくる龍馬はいませんでした。奔放で豪快、グローバルで柔軟な思考力を持ち、人間としての器が大きく、体制に捕われず自分が信じる道を貫く坂本龍馬。その龍馬と仁先生が固い友情、信頼関係を結んでいく描写は、感動的でした。
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「先生には、この時代はどう見えたがじゃ?
愚かなことも、山ほどあったろう…。」

「教わることだらけでした。
独りで生きていけるなんて、文明が作った幻想だな…とか。
人生ってほんと一期一会だな、とか…。
あと、笑った人が多いです。
ここの人たちは、笑うのが上手です。
本物の行動力っていうか……教わりましたよ、龍馬さんに。
龍馬さんは、親友で、悪友で、私のヒーローでした。」

「でした、ち……わしはまだ生きてるぜよ。
…ところで、ヒーローってなんじゃ?」
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「わしは先生の生まれてくる国を作れたかいの?
先生のように、馬鹿正直な人間が笑って暮らせる国を…。」

 他には長州征伐のシーンで、仁先生が龍馬に「どちらが長州軍で、どちらが幕府軍なのか、私には判りません。同じ日本人同士の殺し合いにしか…。」と訴えかけた言葉は印象的です。戦争というものをよく表現してるなぁと。互いにそれぞれ違う立場にある正義の為に争っているだけで、善悪や敵味方というものは実際には存在しない。これは日常的な人間関係にも言える事じゃないかと思います。


 物質も情報も飽和した現代に生きていると簡単に見失いがちな事を、仁先生が江戸時代に生きて学んでいくように、このドラマを通して様々な事を思い出させて貰えました。そして改めて、出会った事もない、現代の礎となった過去の日本人達に感謝の心が…。

最後まで観れて本当に良かった!

 私は発展途上でまだまだな人間だけど、こういう物語で偉人達を観てると、いつか粋な人間になりたいな~と思います。。