
2月22日19時からNHK Bs-hiで放送されたこのテレビ番組。
ラーメンズの小林賢太郎扮する、「ポツネン氏」
(小林賢太郎ソロパフォーマンスシリーズ『Potsunen』より)
の奇妙な一日。
ようやく、ようやく、いまさら、観れました。
オープニングからラストまで、漏らすことなく。
いや~、辛かったよ~。観れない日々が辛かったよ~。
ダチンはこうも小林賢太郎作品愛にまみれているのに
なぜ今まで観なかったか?と申しますと、
うち、BS入らないんですよねぇ。はいー。(残念なお知らせ)
だって必要性がないんだもの。
最近のテレビ番組は8割型つまんないので、地上波すらほぼ見ない。
なので、友達に録画を頼みました。頼むからDVDに焼いてくれと。
で、心優しい友達(ジェンヌ)は
不慣れなDVDプレーヤーを駆使して録画してくれたんですが、
なんか、再生できなかったのです。
うちの全てのPC、MAC、プレステ3では。
で、「なんか見れないから焼き直してくれ」と図々しくも頼み、
心優しい友達は文句も言わずに録画し直してくれたとさ。
で、見れたとさ。弟のPCに入ってる東芝DVDプレーヤーでな。
ダチンのiMacが全身全霊でこのDVDを拒否るのは一体なぜなの?
ラーメンズエキス飲ませすぎてアレルギーになっちゃったの?
とにもかくにも、ようやく観れました。弟と共に。
感想を一言で表現。
これ、地上波でやれよ。
テレビで毎日やっている
日本の「笑い」の全てではない。
日本にはこんなクリエイターがいる、
こういう世界もあるんだ、という事を世に知らしめたい。
まぁ…だからといってラーメンズのメディア露出が
過剰に増えたら増えたで、嫌だけどね。
この番組に関しては、地上波で流して欲しかったなぁ。
笑劇開演、小林賢太郎テレビ。
もしこんなに面白い番組が毎週放送されていたら、
確実にテレビを楽しみにする子になっていたはずだ。
冒頭はまず、小林賢太郎氏とラーメンズについての
軽いイントロダクションから始まる。
「笑いをアートに変える男、小林賢太郎。」
「コントユニット『ラーメンズ』を中心に、ソロパフォーマンス『Potsunen』や
脚本演出の『小林賢太郎プロデュース公演』など、その活動は幅広い。」
「テレビには出演しないが、とてつもない人気を博しチケットは発売と同時に完売。」
「日本演劇チャートで年間第一位に輝く。」
「彼の作品はお笑い界だけでなく、
あらゆる方面から評価されている。(脳科学者の茂木健一郎さん登場)」
的なコメントで、そのカリスマ性を紹介をされる賢太郎さん。
そんな中、かなり昔のオンバドでのラーメンズコント映像で、
大分もっっっっさりした髪型で絶妙な笑顔のコバケンに対し
我ら兄弟は同時に
「わぁ…気持ちわる~い☆(笑)」って笑ったっていうね。
見つめる視線にも愛たっぷりですよ、こちとら。
コバケンすげーすげー言うばかりが愛じゃないんだよ。
実際、凄い人だけど。
内容的にはポツネン氏の一日をショートコントで構成。
Potsunenでのあらゆるパフォーマンス(「hand mime」、
「paddle」、「アナグラムの穴」etc)を
テレビサイズに縮小したような手法ものと、
テレビ用に書き下ろした全く新しいコント。
で、その合間合間に小林賢太郎さん自身の
貴重なドキュメンタリーやインタビューを挟んで。
コバケンの広く綺麗な仕事場…というかアトリエ…、
いや、あれは図工室!図工室に違いない!w
(大きな黒板があって、作業台や棚、電ノコがそれっぽい)で、
コントに使う小道具も自ら作る姿。
もう、まじで、感無量。
印象的だったのは作品をいきなり文章化せず、
イメージボードを描く作業から始める、ということ。
映画制作の前段階のような感じで。
「言語化すると、言葉による制約ができてしまうから」と。
最初から最後までじっとMacと睨めっこして、
時にニヤニヤしたり自分ウケしたりしながら
綿密な脚本をタイピングする姿を想像していたので、
これはとても意外かつ嬉しい発見。
そして、小林さんを心から尊敬する気持ちと同時に、
純粋な意味で「私、やっぱりこのひと大好きだなぁ」
としみじみ思ったのが、インタビューでの言葉の数々。
一回しか見てないからうろ覚えだけど。
「『爆笑できること』だけが、『面白さ』の全てではないですよね。
『迫力』『驚き』『感心』『綺麗さ』『恐さ』、様々な要素が織りなして
『面白さ』は成り立っている。
コントで新たな『面白さ』の可能性を追求したい。」
「『面白いもの』って、実はいくらでもあるんですよ
目立たずなにげない物の中にも、必ず面白さは転がってる。
それを見つけるのが好きなんですよね。」
「子供の頃からずっと、『面白い人』に憧れていて。
人を笑わせるタイプではない僕が、
どうしたら面白くなれるのか?と。
今でも憧れ続けている状態です。
(因に大学時代、一番面白くて人気者だった片桐仁さんに
相当憧れてたそうです。仁さんを観察してて
「これが計算だったらすごいな」と思ってたけど、
完全に天然だったと。笑)」
「0から1のものを作る事はなかなか出来ません。
でも、がむしゃらにやれば
0から0.1のものは作れるんです。
それを10回繰り返せばいいんですよ。
そうやって、作ってます。」
「0から1を創りだすには、0.1を10回繰り返せば良い。」
それはそうだ。理論上合ってる。
でもこんな台詞を、こうも真実味たっぷりに
あっさりと語れる人、そうそういないだろう。
賢太郎さんは、0.1の苦しみと快感を
もう10年以上も何度も繰り返し、
右脳でインプットして左脳でアウトプットしたような
ニュースタイルの笑いを産み出し続けている。
苦しくも楽しそうな、壮絶な人生だ。
「プロ」ってそういうことだから。
小林賢太郎は「天才」だから。
そんな風に一言で片付けるのは、あまりに簡単すぎる。
これと決めたひとつのことに人生を捧げ、
どこまでも突き詰め続ける。
シンプルに聞こえるけど、とても難しい事。
更に、「この人は…ほんと凄いな…」って脱帽したのが、
NHKスタッフからのドッキリみたいな感じで
僅か3日間の製作期間で
「ワンカット編集なしの映像コント」を作れ、っていう課題で
彼はみごとにやり遂げたんだけども、
ワンテイクで撮影を終えた後に言った言葉ね。
「自分の器を知りました……、もっと頑張るわ。」
「もう終っちゃうのか~…つまんねぇなぁ。」って。
向 上 心 が ハンパない。
そして大抵は、さんざん悩んだ末に一個の仕事を終らせて
「ひゃっほー無事に仕事終わらせたぜー!さぁ何して遊ぼうかなー!」
って言いそうなタイミングで、
「終っちゃうのか、つまんねぇな」って。笑顔で。
彼にとっては仕事も趣味も遊びも人生も、
全部同じことなんだろうな。
本当に、面白い人に憧れてる面白い人、だな。
ひいては本当に面白い人だ、小林さん。
長くなりましたが、とにかく、ひたすら「腑に落ちる」番組でした。
本当に観て良かった。
以上、「こんな大人になりたいけど絶対なれないであろう憧れのあの人=
小林賢太郎さん」話でした。
コバケン大好きだ!!

個人的に…、子馬の鬣を撫でながら
「横分け具合がブラックジャックみたいだな、君は」と
笑ってる姿がとてもかわいかった。
動物見て「かわいい~」って、「…おまえもな!」と。
女子が小動物見て「かわいい~」って言う隣で男が
「おまえもな!ていうかおまえがな!」と思う気持ちを心底理解。
観点ずれてますか。気にしないで下さい。