私は本を読むのが好きだ。

絵本を読むのも好きで、

40代になった今でも絵本を

読むことがある。

 

少し前まで国語教師をして

いたので、授業の初めの

短い時間に本の紹介を

していた。

 

生徒の学年に関わらず、

どうしてもお勧めしたい

本がある。そんな本の

1つが

 

『サンタクロースって

いるんでしょうか?』

(偕成社)

 

という絵本だ。この本は

目に見えないものの大切さ

を教えてくれる。人が

年を重ねるに連れて、

忘れそうになる大切な

ことを思い出させて

くれる。

 

この絵本の中に出て来る

8才の少女のバージニアと

同じようなことを、私は

小学生の頃にしたことが

ある。

 

小学生だった私は宛先を

書かずにサンタさんへの

感謝のハガキをポストに

投函したのだった。

 

その時のハガキに私は

「サンタさん」ではなく

誤って「センタさん」と

書いていた。

 

ずいぶん後になって、

我が家にサンタさんから

返事のハガキが届いた。

詳しい内容は覚えていない

けれど、そのハガキには

「サンタさんを信じて

くれて、私達を信じて

くれて、ありがとう」と

いう内容のことが書かれて

いた。

 

私はサンタさんから届いた

このハガキを、宝物にした。

サンタさんの住所は

茨木郵便局になっていた。

サンタさんが、そんなに

近くにおられたなんて。

 

長い年月が過ぎて、

大人になってから思う。

幼かった私に手書きで

返事のハガキを送って

くれた、茨木郵便局に

いたサンタさんは素敵

だなと。

 

茨木郵便局の中でお忙しく

働いておられながら、

突然サンタさん宛にハガキ

を出してきた無茶な子どもに

真摯に向き合って下さった

のだから。

 

サンタさんは意外にも

近くにおられたのだった。