私は2023.6.6に「献血回数の話」という

ブログを書いた。そこに詳細を書いたが、

私は70回目の献血を終えた時点で、赤十字

から2021.2.14に吉本新喜劇に招待して

頂いた。

 

その日の吉本新喜劇で一番ウケていたのが

坂田利夫さんこと坂田師匠だった。坂田師匠が

セリフを忘れる度に、他のメンバーから「一番

芸歴が長いねんから!」と突っ込まれて、

その度に大きな笑いが巻き起こっていた。

 

劇が終わった後、私はトイレの辺りで偶然

坂田師匠とお会いすることができた。一般人の

私が「セリフを忘れておられましたね」と

声をかけてみると、師匠は「じゃかぁしいわい!」

ときちんと突っ込んで下さり、私にサインを

書いて下さり、「また来てよ」と言って

下さったのだった。

 

私はまた吉本新喜劇に招待して頂けるよう、

ペースを上げて献血し続けて、献血回数が

100回を超えた。私は赤十字からまた吉本新喜劇に

招待して頂けると聞いていたのだが、予算の

関係でそのプランは立ち消えになったことを

知ってガッカリした。

 

そして今日、坂田師匠が老衰で亡くなった

ことを知って、大きなショックを受けた。

 

実際に劇場で吉本新喜劇を観るのと、TVで

見るのとでは、迫力が違った。NGKの舞台は

スポットライトで輝いており、ここで芸人さん達が

力を付けていくのだと思うと感動した。そして

約3年前に劇場で見た坂田師匠には、(自然体で

いながらも、)オーラのような風格が漂っていた。

それは坂田師匠の長い芸歴や生き様が表出した

凄みであったのだろう。

 

昔、中島らもさんが大槻ケンヂさんに、

「アホ」という言葉について詳しく説明した

ことがあったという。私は大阪で育ったので

「アホ」という言葉に幼い頃から触れてきて、

その言葉にいろんな意味が込められていること、

いろんな使い方があることを実感してきた。

ウケて欲しい場面で「アホ」という言葉が

使われて笑いが起きた場合、「アホ」という

言葉は誉め言葉のようなニュアンスを持つ

ことがある。

 

藤山寛美さんの言葉が心に響く:

「アホは心の優しい者にしかできひんのやで」。

 

私が実際にお話してみて、やはり坂田師匠は

御優しい方だった。彼は多くの人達に

笑いをもたらし、多くの人達から慕われて

いたであろう。坂田師匠が芸風に悩んで

おられた時期があったとも聞くが、私は

一般人ながら坂田師匠のことを尊敬していた。

 

坂田師匠の御冥福をお祈りします。また劇場で

お会いしたかったです。