私は中高時代に菅野美穂さんが出ている番組を
よく見ていた。『走らんか！』や『イグアナの娘』を
見ていて、菅野美穂さんが豪快に笑う場面が良いなと
思っていた。視聴者に実際のところはわからないが、
菅野美穂さんは性格が良さそうだと思った。
私は大阪で育ったが、私には関東から一時的に大阪の
高校に通っていた友人がいて、その友人が大学進学と
同時に関東に戻ってからも、私はその友人と会ったり
していた。その友人を「T君」と呼ぶことにする。
T君は、私が菅野美穂さんのファンであることを
知っていた。
大学時代の夏休みは長かった。私が夏休みに家にいると、
千葉県にいるT君から連絡があった。「夏休みのうちに
関東に来れないか？会わせたい人がいる」とのことだった。
私は塾でアルバイトをしていたが、時間はあった。
お金がないので、また鈍行列車をつないでクタクタに
なりながら関東に向かった。
T君と千葉県で久しぶりに再会した。そして私とT君は
柏市でゆっくり過ごして、夜に埼玉県の居酒屋に行った。
（私達は、お酒を飲んで良い年齢になっていた。）
その居酒屋には、T君が事前に呼んでいたという
1人の男性が来ていた。その男性は屈託のない笑顔で
豪快に笑い、一方でしなやかな雰囲気を持ち合わせていて、
不思議な雰囲気を持つ面白い人だった。私はT君に
聞いた。「この方はどちらさん？」
T君は答えた。「菅野美穂さんの弟さん」。私は
ビックリして「えぇぇぇっ・・！！？？」と声を
出した。この男性は確かにお姉さんと顔立ちが似ていた。
私は菅野君とその時に初めてお会いしたが、みんなで
アルコール類を飲んでいたこともあって、すぐに
打ち解けることができた。
何となく、菅野君にお姉さんのことを聞くのは
良くない気がして、お姉さんの話はほとんど
しなかった。菅野君も私も別々の格闘技を習って
いたので、そういう話をした。そして、彼には
将来の夢があり、その夢に向かって勉強している
とのことだったので、お互いに励まし合って
居酒屋で解散した。
菅野君も菅野美穂さんも、豪快に笑うところが
よく似ていた。私が菅野君と会ったのは、
それが最初で最後だった。それでも、テレビで
ゴールデンスランバーの人を見かけたりすると、
菅野美穂さんや菅野君のことをよく思い出す。
菅野君が当時の夢を叶えたことを願っている。