私は2023.6.3と2023.6.19に井上vsフルトンの
試合予想のブログを書いた。昨夜は地上波でこの
試合が放送されないことにガッカリしていたが、
試合内容はとても良かったと思う。この試合は
どの距離で戦うかが大きなポイントになっていた。
昨夜、井上vsフルトンが始まってすぐ、お互いの
ジャブの差し合いで井上が優位に立った時点で、
井上は負けないと思った。フルトンからすれば、
階級と体格とリーチの差などを生かして長い距離で
先手を取る必要があったのに、試合開始早々に
ジャブの差し合いで後れを取ってしまい、長い距離を
保ってもポイントを奪えず、得意な距離を失っていた。
井上のパンチは、階級を上げても速くて強かった。
長い距離で有利に戦えなくなったフルトンだが、
中間距離での攻防や接近戦では井上の強打が
ズバズバと飛んで来る。フルトンはどの距離で
戦っても、不利な状況に陥ってしまった。
井上の戦術も凄かった。井上は技術的にも非常に
優れているので、フルトンのようなやりにくい
相手に対して、闇雲に追いかけたりしなかった。
井上は試合の途中で体の位置を止めるなどして、
逆にフルトンが前に出て来るような状況を
作り出していた。
昨夜の井上の終盤のラッシュには、やや急いでいる面も
あって、それはバンタム級に上げてすぐのマクドネル戦と
印象が重なるところがあった。それだけ、昨夜の
井上はフルトンに勝ちたくて、気持ちが急いていた
面もあるのだろう。Sバンタム級初戦を見事な形で
クリアした井上なら、次戦からさらに冷静に相手を
倒せるようになると思う。
次戦では2本のベルトを持っているタパレスが
相手になりそうだが、井上は今回のフルトン戦で
おそらくまたPFPランキングで1位に返り咲く
可能性が高いほどの実力者なので、タパレスでは
役不足だと思える。個人的には、タパレスに
番狂わせで敗れたアフマダリエフと井上の試合を
見たい。
昨夜の試合を見た限りでは、井上は早くも
Sバンタム級で最強の地位に辿り着いたと言えそう
だった。井上の体の上限はどの階級なのか?あの
ドネアでさえ、フェザー級では厳しい状況に
追い込まれていたが、井上ほど技術が高い選手なら
フェザー級をも制覇できるかも知れないし、
その先の可能性も見えて来るかも知れない。
私は幼少期にリカルド・ロペスの試合を観ていて、
「この選手が負けるところが想像できない」と
思っていた。井上についても同じで、井上が
負けるシーンを想像できない。王者になっても
ハードワークをこなし続けていて、井上尚弥は
本当に素晴らしい王者である。