ここはとある曲がりくねった長いトンネルである。

滅多に車も通らないこのトンネルで事件は起きた。


現場監督「こりゃぁ・・・ずいぶんと溜まったもんだな・・・」

呆然と立ち尽くす現場監督の横に立ち

僕もその惨状に目をやる。

「1日2日で起きたもんじゃないですね。

 地域住民の話しですと、2週間前は通行出来ていたらしいですが・・・」

現場監督「ここは元々地盤も悪く動きが鈍いからなぁ・・・

 とりあえず、3班体制で1日おきに現場に来るよう指示しておいてくれ。

 頼むぞ。」

そう言ってトンネルを後に現場監督が去り

僕は業者に電話をかけるのであった。


その夜、依頼した業者から第1班目の作業員たち100人が到着する。

「夜分ご苦労様です。早速今回の工法を説明します」

作業員はそれぞれ身支度を終え、僕の口元に集中する。

「今回は場所も場所ですので、機械を入れず人海戦術で作業を進めます。

 作業はごく単純です。 

 積もり積もった岩を砕き

 粉砕し

 先にある亀裂から押し出す

 ただそれだけです(笑)」

作業員たちも一時はぽかーんと口を半開きにし、不安の表情を浮かべたが

現状をまとめた資料をみて一言

「そりゃそうだ」と言って大笑いしたのであった。


兎にも角にも、作業員の雰囲気は良好のまま作業を開始した。

作業員一人ひとりがスコップや、ピックを持ち

勢いよく岩を砕いていった。