prrrr…



「もしもし…」


「あ、俺。ごめんな、土曜日結局行けへんくなって」


「いいよ、気にしてへんって(笑)」


「そっか…あんさぁ、昨日郵便出したからちゃんと受け取ってや」


「え、郵便?何を?」


「何でもええやん////明日には届くと思うから」


「わかった。」


「ごめん、ほな移動やし切るな」


「最近、忙しそうやな」


「せやねん、じゃあまたかけるわ!」






忙しいって事は一般のカップルからすればケンカになるが、私達にとってはいい事だ



みんなから注目されるアーティストになりたい、有名になりたい…



そう夢見て彼が上京してからもう10年がたとうとしている



旅立つあの日に言えなかった想いを密かに胸に抱きながら、どんどんかっこよくなっていく彼をずっと応援していた



5年前にやっとデビューできたとこっちに帰ってくるなりお祝いに集まった私含め同級生たちにCDを配っていた



連絡はちょこちょこ取ってたけど、デビューと聞いてより遠くに離れていっちゃいそうで……あの日言えなかった想いを伝えた






「ありがとう…遠距離やし、なかなか会えへんけど、それでもいい?」






覚悟はしてたけど、時々やっぱ淋しくて…



でもこっちで仕事がある度に実家に帰るから来いよって呼んでくれて…

忙しくても会う時間を作ってくれるから、距離を感じたことなんてない



会えない日々が長くてもこうして声を聞けるだけで十分なんだ…














「……ん?CD?たしか新曲まだ発売じゃないやんな…」




昨日電話で言ってたものであろう郵便が届いた



ディスクのみクリアケースに入っていて、紙がはさまっている




「手書きの…歌詞?」




歌詞を追いながら聴いてると心が熱くなってくる




これ、私の…ため?




この声の持ち主の想いが伝わってきて、涙が溢れてくる…




「言ってくれな…グズッ…分からんやん…アホっ」








uh 巡り逢えた たった1人の人

目が眩むほどに 眩しい人


逢いたくて 逢えなくて

瞳閉じて夢で君に逢う

目が覚めて まだ逢いたくて

もう一度目を閉じる


星たちが瞬いてる

あの空の街に置いてきた全て

誓いにして心にしまって

また歩きだそう


uh 最終電車 乗り過ごした君の電話

『迎えに来てよ』なんて 冗談の本音


『無理しないで』 約束したけど

きっと僕には守れそうにないよ

また2人 寄り添い歩く

その日への近道だから


星なんて少しも見えない

この夜の先に君がいるから

目先じゃなく未来を見つめて

また歩きだそう


逢えない日が思い出に変わり

夜空が距離を埋めてくれるのなら

星座越しで君に伝えるから

ずっと愛してると


目の前が暗闇でも

僕の行方には君がいるから

その日までの道を照らしてゆこう

互い 違う道でも


逢えない日も僕にとって

本当に大事な宝物だから

星なんて見えないこの街で

僕が輝くまで


待ってて 星空の街で


love letter / 花村想太(from Da-iCE)














「待っとぉよ…楽しみにしとるんやからね……迎えにきてくれるの」
















「なんやねん(笑)素直ちゃうなぁ」


徹「想太?なんか言った?」


「や、星が綺麗なって」


徹「気持ち悪っ」


「なんでや!ロマンチックでしよっ」


徹「どうでもいいわ(笑)行くぞー」


「はーい(๑˘・з・˘)」







love letter ──完