「優唯子ちゃんていっつも笑顔だよな」


「いいよなーお前、あんな可愛い子と付き合えて」


「だろ?ひがめひがめ~(笑)」


「リア充め…( °Д°)」








今まで見た事ないほど…



まるで悪魔に魂を売った魔女のような、不気味すぎるほどの笑顔で近づいてくる優唯子






「いっつも仕事仕事…

クラブで女の子と写真撮るのが仕事なの!?」



「仕事だろ…イベントに来てくれた仲間なんだから…」



「仲間って…みんな光啓の事狙ってるじゃん!

彼女は私だよ!?」



「だから、みんなそんなんじゃねーって…」



「もう…あの子たちと一緒に仕事しないで…」



「………」










前々から怖いと思った瞬間があったが、

間違いなく今はその何倍も狂気を感じる



前野さんといい優唯子といい、愛情が拗れると人はこうも変わってしまうのか…








日「何しに来たんだよ…」



ゆ「探してたの…光啓を」



日「何で?」



ゆ「好きなの…一緒にいたいの…」



日「だからこないだ言っただろ…お前と付き合う事はもうないって」



ゆ「本気じゃないでしょ?その女がいつまでもしがみついてるからでしょ?」



日「違ぇよ」



ゆ「私なら光啓の子ども何人でも産んであげられるよ?

幸せな家庭築けるよ?…その子とは無理でしょ?」



日「優唯子…お前とはそんな気はこれっぽっちも無いって言ったはずだけど」



「嘘…言わされてるんでしょ?そこの女に」



日「はぁ!!何で…そうなるんだよ…」









こいつ…まじでヤバい…



顔がもう正気じゃねぇ…




とりあえず泉を逃がさないと…








日「泉…俺から離れてろ」




ギュッ




日「…いず「やだ…私光啓の奥さんだもん、一緒にいる」



ゆ「何であんたなのよ…」



日「は?」



「何であんたなのよ…子供も産めない女のくせに…」



「私は…絶対離れない」



日「泉…」



ゆ「あんたが離れないなら……あんたから奪ってあげるわよ…」



「「!!!??」」



日「何…考えてんだよ…よせっ」



ゆ「本気よ?あなたが手に入らないなら…天国で一緒になろるの」



日「よせっっ…やめ『日高?泉?』



「!!…にっしー…」



西「なにして……!!!!!」



日「西島!!急いで誰か呼んできて!」



西「わかった!もうちょい時間稼いでろ!」





いい所に来てくれた…



女とはいえ狂気じみた人間を1人で止めるのは無理だ





「ねぇ、もうやめて…こんなの…違うよ」



ゆ「今すぐその手を離して…」



「できない」



ゆ「光啓から離れて!」



「できないっ!」



ゆ「光啓は私のなの!誰にもあげないんだから!!」


    

日「やめろっ!!優唯子!!!」






「ダメっ!」





ガバッ





日「!!…泉!やめろ!いずみーーーっっ!!」



「…っ!!」













俺を庇うように背中で盾になる泉



一瞬の出来事がスローモーションに見える



刃物で刺される恐怖より…今俺の目の前にいる恋人を失ってしまうかもしれない恐怖が襲う



全力で叫んで剥がしそうとした












瞬間、目の前のが暗くなって…





音が消えた…