『……あ』「「……あ」」



日「…ちょっといい?」



『……』



日「わり、西島…先行ってて?」



西「おぅ……」



『………』




日「あっちで話そ」



『うん…』





撮影が終わって帰るよと泉に連絡してたら、西島がうちに来る事に…



帰ろうとしたら元カノに会ってしまった…



こないだの病院の屋上での一件…

死ぬことを考えたくらい彼女を追い詰めたのは何なのか、真相を知りたかった






日「お前さ、泉の病院行ったろ?…大阪までわざわざ何のため?」



『……』



日「別に言いたくないならいいけど」



『まだ…好きなの…光啓のこと』



日「は?自分から離れといて?」



『寂しかったから!仕事仕事でかまってくれなかったし…』



日「あのなぁ…お前がそれでもいいからっつったんだよな?

それでさっさと他の男に行ったくせに、やっぱり好きだとか虫がよすぎるだろ…」



『わかってるよ…だからずっと我慢してた…けど、メンバーの女の子と付き合ってるって聞いて…悔しくなって…』



日「それで泉に八つ当たり?」



『八つ当たりなんてしてない…ちょっと…お願いしてただけ…』



日「何だよそれ…どん底に落ちてるやつを追い詰めるお願いってなんだよ…」



『……』



日「それも言えねーの?」



『光啓を…返して欲しくて』



日「俺、お前の所有物になった覚えねーけど」



『……だって…』



日「何?」



『だって…もう子供が産めないんでしょ?あの人…

光啓子供好きじゃん!あたしなら産める!』



日「だったら何?お前となんの関係があんの?」



『……好きなの…』



日「……お前と戻る事はもうありえない…泉と、結婚するつもりだし…」



『……光啓には…光啓には未来があるんだよ?!恋人の子供も産めない人がいつまでもしがみついてちゃいけないんだよ!』





本音が出やがった



つくづく女って怖ぇな…




──恋人の子供も産めない人がいつまでもしがみついてちゃいけないんだよ──




あの時、泉の口から出た言葉と同じ言葉を発しやがった



これが元凶だと理解するには十分すぎる言葉に頭のネジが5本くらい一気に外れる感覚がした




日「……それをあいつに言ったんだな」



『…あっ…その…これは……つい』



日「俺には未来があって泉には未来がないのか?ふざけんなよ……

あいつだって生きてんだよ……

お前がそんなくだらない事言う奴だとは思わなかった…」



『光啓…』



日「もう…俺と泉に関わらないでくれる?…西島にも接触すんなよ」



『ごめんなさい!…そんなつもりじゃっ…』



日「この際はっきり言うけど…今お前とまた付き合っても結婚も子供も考えられねーし、付き合ってた時も考えた事もなかったから……」



『…っ!』



日「わかったら二度と変な事すんなよ」



『待って!』



日「……」スタスタスタ…








俺今すげぇ嫌な奴だよな…でもこれでいい



俺が悪役になったっていい



泉の心を陰らせるものは誰だろうと何だろうと排除する



これ以上、あいつの悲しそうな顔は見たくないから…







西「みっくん怖ぁい♡」



日「…いたのかよ(笑)」



西「かぁっこい~(*σ´³`)σヒューヒュー」



日「うるせーな(。-_-。)」



西「意外と冷静だったな」



日「確実に頭のネジは何本かぶっ飛んだけどな…アホらしくて怒る気にもなんなかったわ…」



西「これで懲りればいいけどね、優唯子ちゃん」



日「お前にも迷惑かけたな」



西「俺は別に~」



日「ありがとな」



西「泉の為だよ…あんな追い討ちかける様な事は俺も許せねぇし…」



日「…だな」



西「さ、行こうぜ~」



日「泉がご飯作って待ってくれてる」



西「久しぶりだなー( *´꒳`*)」



日「食ったらすぐ帰れよな…(。-_-。)」



西「わかってるよ(笑)デザートタイムを邪魔するほど飢えてねーわ」



日「そりゃ良いこった(笑)木村くんも的場ちゃんも忙しいし、タクシーで帰るか」



西「そうだな~」










西島を連れて帰ると鍋の準備がテーブルに広がっていた




3人でたらふく食べて、あいつの近況を聞いてやると喋って満足したのか西島は帰って行った。




大切な人が家にいて…おかえりって笑顔で迎えてくれる

ほんとに幸せな事だ