「では、サンプルが上がり次第お持ちします。」
「あ、日高くんちょっとまって!…はい、これ使って」
「カットチケット?いいんですか?」
「遠慮しないで使って?ここ君の会社の近くなんだけど、たまたま前髪切りに行った時に貰ってさ…
ちょっと遠いからなかなか行けないし、今月末までだからもったいないしね(^^)」
「そうですか。ちょうど僕も髪伸びてきて鬱陶しくなってきたなって思ってたので、有難く頂きます(^^)」
「そこで担当してもらった女の子が可愛いから通ってみたら?」
「あははは!それは是非通いたいですね(笑)」
「じゃあまた納期の確認だけ頼むね」
「すぐ確認して連絡させていただきます」
「待ってるよ(^^)あ、岩岡くん元気?」
「はい、相変わらず可愛くないやつですけど(笑)」
「彼も営業センスは君と同じくらいだと思うし期待してるよ(^^)」
「ありがとうございます。岩岡も喜びます」
「じゃあこれから会議だし、ここで。営業のみんなによろしくね?」
「はい、ありがとうございます!では…」
日「疲れた~」
あ、そうだ…さっきのチケット…
すぐ近くじゃん…今日は直帰だし、今から行ってみるか…
『いらっしゃいませ』
日「すいません、初めてなんですけど、カットって今から大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ(^^)」
「あ、このチケットを人伝で貰ったんですけど使う事できますか?」
「大丈夫ですよ~ソファの方でこちら記入しながら少しお待ちください」
日「はい(^^)」
あの人店長かな…
めっちゃイケメン…すげえキレイな緑だな
店の雰囲気もいいし…
「そこで担当してもらった女の子が
可愛いから通ってみたら?」
さっきのやり取りを思い出して、その可愛い子が来てくれる事に少し期待する
「いらっしゃいませ」
少し期待はずれな声の方を向くと、またもや整いすぎも良いとこな顔した男性アシスタント
見た感じは年下だな…
「シャンプーさせていただきます與と申します、こちらへどうぞ(^^)」
日「よろしくね」
「こちらにどうぞ」
俺をシャンプー台に通すと「少々お待ちください」と告げて女性スタッフに何やら指示を受けている
あの人が万田さんが言ってた可愛い子かな…
そんな事を思っているうちに與くんが戻ってきてシャンプー台が倒される
與「熱くないですか?」
日「大丈夫でーす」
…
シャンプーの力加減が絶妙なのと日頃の疲れからかだんだん眠気が強くなる
與「お疲れ様でした、起こしますね~」
その声で目が覚めてセット台へと通される
「お疲れ様でした、気持ちよかったですか?熟睡さらてましたね(^^)」
日「……////…すいません、めっちゃ寝てしまって」
「いえいえ、おつかれなんですね(^^)
あ、カット担当させていただきます北川です。」
一瞬時が止まった
ミルクティみたいな色の長い髪に印象的な猫目、口角のキュッと上がった形のいい唇…
可愛いな…
日高 「うん、お願いします(^^)」
「スタイルどうされますか?」
日「そうだな~前髪は長めの方が好きなんですけど、後ろはスッキリさせたいな…」
「あ…でしたら、これはどうですかね?」
スタイルブックを見せてくれる彼女の綺麗な手
ネイルもゴテゴテしてなくて控えめで爪がすごく綺麗に見える
そして話してると何故かすごく落ち着く
やばい、この人を……もっと知りたい…