お開きになった後、みんな各々タクシーで帰って行った。




泉のマンションが1駅で帰れるという事もあって、2人酔い覚ましを兼ねて深夜の街を歩いて帰る事に。




松浦社長とマネージャー軍の計らいで明日は二人ともOFFになった。





日「さっきまで雨降ってたのにやんだね」




「うん。東京のど真ん中でもこんなに星って見えるんやね」




日「ほんとだ!結構たくさん見えるね。……さっきの通り雨で空気中の余計なモノが晴れたんだろうね」




「何か……せっかく綺麗な星空なのに、夜ってだけでマイナス思考になっちゃうよね……」




さっき更新したブログにどんな声が来るのか…

辛辣な中傷か、それとも温厚な応援か…

少し元気のない彼女の手を繋いでゆっくりと帰路を歩く。




日「そうだ。せっかくだし、ちょっと遠回りして帰ろっか(^^)」




「うん」




日「ちょっと元気ないね」




「ごめんね、せっかく2人きりなのに……

何か色々不安で怖いんだよね」




日「泉……大丈夫、俺がついてる」




「ありがと……」




日「明日さ、天気良かったら朝早めの時間からちょっと遠出しない?」




「いいの?」




日「うん。泉のその不安な気持ち、俺にも共有させてよ……2人で晴らしに行こう?」




「光啓……」




少し安心した様に微笑んだ彼女の手をギュッと握ると少し震えているような気がした





明日はどこにいこうか……




今の俺達にはスマホやあらゆる情報源を断って、何も考えなくてもいい時間が必要だ。




人の言葉は時として刃にも兵器にもなる

……人格や存在の否定

……嫉妬、羨望、挑発、脅迫




特に嫉妬や羨望といった類の感情は圧倒的に女性に向けられることが多いのが人間だ




泉の不安な気持ちはよく分かる

俺が同じ立場でもきっと怖いだろう。




どうしても避けられない痛みを彼女が負わなければならないのなら、俺がその痛みを和らげてあげよう……





明日になるのが怖いならずっと抱きしめてあげよう…ずっと側にいる




だからそんな不安そうな顔しないで……




そんな気持ちを読み取ったように止んでいた雨がポツポツ降り始めた。





日「降ってきちゃったな」




「うん……でも何かこのまま濡れるのもいいかな」




少し俯いた泉が気分を落さないように話を明日のことに戻す




日「明日どこいく?」




「この雨明日も止まなかったらどうするの?」




日「そん時は泉ん家でまったりしようよ……せっかく二人して休みなんだし、一日中いちゃいちゃしよ♡」




「……それもいっか(笑)」




日「なーんにも考えずに1日過ごせれば幸せじゃん♡」




「ふふふっ……そうやね(^^)」






少し温かさが増した泉の手




よかった、少し気分が晴れてきたみたいだ




明日の事を考えるだけなのにこんなに幸せな時間は初めてだな。




久しぶりに手を繋いでゆっくりと歩いた帰り道ももうすぐ終わる




彼女の家までの数十メートルを繋いだ手をさらにぎゅっと握って歩く










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