会社に到着して宇野ちゃん、秀太と別れると真司郎と2人でそれぞれマネージャーを待つことに。



與「泉ちゃん……さっきの事やけど」



「うん」



與「ホンマはこんな事言いたくないねんけど……」



「ええよ、言って?」



與「今日の泉ちゃん、あのガキんちょの時の日高と同じ事してると思うで」



「…!!」



與「高校の同級生ってだけならご飯くらいいいと思うけど、あの人が泉ちゃんにそれ以上の好意持ってるのなんか他所から見ても明らかやん。」



「そうだよね……」



與「でも日高もそれで泉ちゃん泣かせてんからおあいこやな(笑)」




「………………」




分かってたけど、真司郎からの思わぬ一言でみつを傷つけてしまった事のへ後悔が胸を締め付ける。




與「……ごめん、泣かせるつもりなかってんけど(汗)」(これ後で日高にしばかれるわ(((;°▽°)))



「いいの……真司郎は正論言ってくれただけで、悪いのは久しぶりに会って舞い上がってた私だもん……」



與「もう泣かんといて?

目腫れたら日高に気づかれてしばかれるわ」



「……」



與「あーもぅっ」



ぎゅっ



「!!……し……んじろ?」



與「泉ちゃんが悪い……そんな泣いてるから抱きしめたくなるねん」



「ごめん……」 



與「…………」





しばらくの沈黙の後、真司郎は私を抱き締める腕からそっと解放すると指で涙を拭ってくれた。




與「もう涙とまったな(笑)」



「うん……びっくりしたから……」



與「今のは日高には内緒な?俺殺されるから」



「……あははは!言わないよ、大丈夫」



與「あ、栗ちゃんから電話や。ほなもう行くわ~」



「うん、お疲れ様!」



與「今日ちゃんと目冷やしてから寝ーや~」




そう言って真司郎は次の仕事に向かって行った。

まさか抱きしめられるとは思ってなかったからびっくりしたけど……



これも彼なりの優しさなんだよね。




ありがとう、真司郎。







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千晃と楽屋に戻ってから、直也くんと西島の後発組と合流して俺だけ会社で降りた。



ロビーの自販機横で見慣れた愛しい後ろ姿を発見して呼びかけようとした。




日「いず…………っ!!?」




は?



今何が起きてんだ?



目の当たりにしたこの状況をすぐに把握出来る奴が果たしているのか。




真司郎が泉を抱きしめている。




抱き締めてる本人と目が合ったがそれでも腕を解かずしばらく俺を真っ直ぐな瞳でじっと見ている。



引き剥がしに行けばいいのに何故か足が動かない……



この場から動けない……




真司郎が泉を離すとそっと彼女の涙を拭って何か話してる。



そしてふっと笑った……



見た事ない程優しい真司郎の表情…



あいつ、あんな顔もするんだ…




なんとも言えない気持ちになり、泉に謝るはずがそっとその場から離れようとした




「日高!」



日「真司郎…」



與「悪い、あれは泉ちゃん泣かしてしもて思わず……ごめん。

…でも日高見てたくせに来へんかったからわざと離さへんかった」



日「まだ……泉の事」



與「……好きや。好きな気持ちなんてそんな簡単に消せるもんちゃうやろ。」



日「………」



與「今は奪おうとか思ってないからそこは安心せぇや。日高の隣でニコニコしてる泉ちゃんが俺は好きやから……だから仲直りせんかったら遠慮せぇへんで?」



日「渡すつもりねぇよ……離さねぇし」



與「ならさっさと仲直りして。

日高も泉ちゃんが前の自分と同じ事してるって気づいて、怒鳴ったこと後悔してるんやろ?」



日「お前、エスパーみたいだな」



與「そんなん日高の顔見たらわかる」



日「まじか(笑)」



與「ほなもう行くで~」



日「おぉ」





真司郎の言う通り、今は後悔しかない




泉、また泣かせてごめんな……




今すぐ謝って抱きしめたい