『日高さん、もう少し視線ずらしてください』



日「こうですか?それともこっち?」



『あ、それいいです!かっこいいです!』



……


……




やっぱ光啓ってかっこいいよね……



私が来たら野暮ったくなりそうなスーツも、黒縁丸眼鏡も着こなしてる……



現にCanCam編集部のみなさんも撮影の様子見ながらため息ついてるもん……



野次馬の多さにマネージャーの木村さんが横で苦い顔してるけど(笑)



事の始まりは私がたまたま企画部宛の電話を取ったこと……




「はい、avax企画部です」

『お世話になります、
私CanCam編集部長の内田と申します』

「お世話になります、企画部の仁科と申します」

『早速用件なんですが…CanCam1月号の企画で、
貴社のタレントのSKY-HIさんとコラボしたいと
思いましてお電話させていただきました』

「企画の内容はどんなものでしょうか?」

『はい、今大ブレイク中のSKY-HIさんが
漫画好きだという情報を得まして、
漫画特集で1日編集長をお願いしたいんです』

「わぁ、面白そうですね!
分かりました、1度こちらの企画部長に持ちかけて
担当から改めてお電話させていただきますので、
直接詳細をお聞かせください」

『ありがとうございます!
では私の連絡先を言いますので、
そちらにかけていただけたら助かります!
番号は090…………』

「分かりました。では失礼いたします」






あの時は素直に面白そうだと思った



まさか私が企画リーダーとして同行するとは思わなかったけど(^_^;)



でもやっぱ女性誌の編集部ってみんな女性なんだね……
光啓を見つめる熱視線の数々に少しやきもきする……



私が同行する事を直接伝えた時の光啓の喜びようは半端じやなかったな(笑)




日「ほんと?!香奈も来てくるの!?」

「うん、企画リーダーとして木村さんと一緒にいくよ」

日「やったー♡香奈と一緒に仕事がしたかったんだよね!ありがとう!」

かばっ

「きゃっ」

日「漫画を読めて、香奈とも一緒でって
こんな夢の仕事ないよっ(*≧∀≦*)」

「大袈裟~(笑)」

  日「大袈裟じゃないよ……
  普段香奈とは会社でも全然会えないし、
お互い忙しいしさぁ~
仕事だけど香奈と一緒にいられる
と思うと嬉しいじゃん( *´╰╯`) 」

  「光啓……そうだね、私も嬉しい(*^^*)」

日「香奈……」

ちゅっ

「ん……////」

日「襲ってい?」

「どうぞ////」

日「じゃあ遠慮なく♡」

「んっ……////」













『ありがとうございました~!』



全てが終わって、私を見つけた光啓が近寄ってくる



その時編集部長の内田さんが光啓に話しかける



『日高さん』



日「内田さん、お疲れ様です」



『お疲れ様です。企画に協力してもらったお礼にこの後食事でもどうですか?』



来た……なんとなくそんな予感がした



でもこの前この仕事終わったら一緒にご飯食べよって約束したよ?



日「……いいですよ(^^)」



……え?



もしかして……忘れてる……の?



『あ、良かったら仁科さんもどうですか?』



なんて誘ってるけど、私に向ける表情が来るなと言っている……



内田さんが光啓を見る目は恋してる目だ……



「私はいいですので、お2人でどうぞ」



日「え……」


 
精一杯の笑顔で断った



光啓は唖然としてる……



約束したじゃん……



香奈が行きたいお店にしよって言ってくれたから……私、行ってみたいお店調べたんだよ?



私が断った事で内田さんは満面の笑みで準備しに戻った



日「香奈、何で…「私、予定あるんだ!急ぐからごめんね!」




そっちが忘れてるなら、私も忘れたフリするよ?






不自然にならない様に必死に表情を作ってスタジオを出た。