ある国のある小さな村での話



そこに住む15歳のダニーはいつも自転車に乗っている

ママのお使いでも
遊びにいくのにも
ちょっと散歩に行くのにも
隣の家のマリベルおばさんの家に行くのにも
自転車に乗って出掛ける

ダニーの友人、ロングボトムはいつも不思議がっていた

ロングボトムとダニーは幼馴染

ケンカもしたことのない大の仲良し

ただ、ロングボトムも何故ダニーがいつも自転車に乗っているのかは分からない


過去に一度ダニーに尋ねた


「なぁ、ダニー なんで君はいつも自転車に乗っているんだい?」


するとダニーはこう答えた


「じゃあなんでロングボトムは自転車に乗ってないんだい?」


ロングボトムは少しだけ考えた
だけど答えは簡単



「それは自転車に乗る必要が無いからさ」


ダニーはロングボトムをじーっと見つめ微笑んだ


「ふふっ そうだね」


そう言ってダニーは家に帰った


ロングボトムは分からなかった

その日以来、ロングボトムはダニーに自転車のことを聞くことはやめた




ある日、
ダニーは朝のまだ薄暗い時間にロングボトムの家に来た


「ロングボトムー! 大変だー!」


ロングボトムは、ダニーの声で目覚めた


「なんだい?こんな朝早くに‥」



「大変だ!マリベルおばさんの家が火事だよ!!」


ロングボトムは一気に目が覚めた
そしてダニーと一緒にマリベルおばさんの家に向かった
その日、ダニーは自転車に乗っていなかった
ロングボトムの自転車に2人で乗り急いでマリベルおばさんの家へ向かった


着いてみると



マリベルおばさんの家は真っ赤な炎で包まれていた

ロングボトムは急いで保安官のホアキンに連絡した


ホアキンはこの村唯一の保安官
平和なこの村には保安官一人いれば充分だった


ホアキンが駆けつけた頃にはもうマリベルおばさんの家は燃え尽きてしまっていた

しかもマリベルおばさんは家の中にいて帰らぬ人となった


ダニーとロングボトムはその惨事にただ佇むしかなかった

朝がやって来て

マリベルおばさんの死が村中に伝わった

翌日、マリベルおばさんの葬儀が行われた


村はかつてない程の悲しさで満ち溢れていて みんなが泣いていた

ロングボトムも泣いた
保安官のホアキンもそう

村のみんなでマリベルおばさんの家を片付けて
そこにマリベルおばさんのお墓を立てた
みんながマリベルおばさんのために手を合わせた



数日後

ホアキンは村人全員を教会に呼び

信じられないことを告げた


「マリベルおばさんは、誰かに殺された そしてその誰かに家を焼かれた」

と。



つづく