髭が伸びる



毎日着々と



そいつらを剃る



形を整える



毎日着々と



それは瞑想のような時間



俺は髭を剃る行為が好き



髭がバシッと決まると気分がいいのだ



その昔俺はパンクス被れだった



中学の頃だ



その頃俺は俺が嫌いだった



俺は筋肉質で骨太で髭が濃い



それは当時の俺が求めた俺ではなかった



俺は皮パンが似合う小さいケツも



破けたTシャツが似合う華奢な肩も持ってなかった



代わりにおよそUKパンクに似つかわしくない髭が毎日俺を苦しめた



なんでこんなもん生えてくるんだろー



俺んちが金持ちだったら永久脱毛でもすんのになぁ



そんなことを考えていた中学時代



そしてその悩みはすぐに解決した



俺とヒップホップが出会ってしまったからだ



俺はBボーイになった



幾多のコンプレックスたちは見事に覆り



俺は自分ちが富豪じゃないことを神に感謝した



髭が生えて嬉しい



濃いから形を変えるのも楽々



俺は剃っても剃っても生えてくる髭を好きになった



骨太な身体もでかいケツも厚い唇も好きになれた



このように俺はヒップホップに愛されている



ヒップホップが俺に自己愛を与えた



ヒップホップといれば俺は俺を愛することが出来る



幸せだ



だから俺はヒップホップを愛している



いつまでも愛し続ける



俺たちは両思い



相思相愛なのだ



そしてこれはのろけである



はっはっはっはっ



さてと…



髭でも剃るか



でわまたじゃ!





BGM : THE LIGHT / DABO