JUNKY COWBOY BLUES / BO GUMBOS





シャバに戻った あのブルース野郎が


口笛ふいて 獲物探して ウロウロ


女が見てないと 歌わねえってゴネても


もひとつ酔わせたら ずっとやめないぜ




街のはずれの ガラクタ野郎を


車に詰めて スピード上げる オラオラ


女が集まれば どいつもこいつも


ギターで掻き回して yeah yeah


三日はやめないぜ




彷徨う者のため 道を照らしたまえ


荒くれ者のため 恵み与えたまえ


hey hey hey




かわいいギターよ どのコが欲しい


ライトを浴びて ボリューム上げる もっともっと


お前が目の前で じっと見つめてる


身体の芯まで こんなに疼いてる


両手を振り上げて 踊っておくれ


今夜はいただくぜ お前のダイヤモンド










...ああ~。書いてるだけで鳥肌が収まらん。


「ブルース」を「ラップ」に、「ギター」を「マイク」に変えると俺の歌になる。


つーわけでシリーズ登場二回目のBO GUMBOSである。


こんなに理屈のいらない音楽をやってた日本人がいた。


それだけで泣きたい気持ちになる。


まだまだ紹介しきれないほど名曲があるんだぜ。


彼らは黒人音楽を物凄いナチュラルさで日本語に昇華していた。


その「ノリ」自体が十代の俺が身体の内側から欲していたモノだった。


その後ヒップホップと出会ってラッパーになる俺が彼らを好きにならないわけがなかった。


ボーカルのどんと(R.I.P.)の歌詞世界はどこまでもピュアにルード。


そしてその「どうしようもなさ」は泣けてくるほど美しいものだった。


ヒップホップ的に言えばどこまでも「ゲトー目線」。


そんな彼の歌声は清志郎や甲本ヒロトを凌ぐほどカリスマティック。


俺はこんな素晴らしいバンドが歴史に埋もれるなんて耐えられねーよ。


そんな気持ちで歌詞を紹介してるけど...ホントはただ聴いて欲しいんだ。


BO GUMBOSは「体で感じる音楽」だから理屈はいらねーからさ。


つーわけで以前紹介した「トンネル抜けて」をYOUTUBEでみっけたので紹介しとく。


これはおそらく沖縄で録られたものだと思う。


バンドではなくどんとが一人で弾き語りをしている映像である。


歌が始まるまでの何秒間かが犬井ヒロシチックだが油断してはいかん!


歌が始まった途端...五感が持っていかれる感覚を味わうはずだ。


俺は...どうしようもなく泣けるんだな、この人の調子っぱずれの歌声。


あっけらかんとふしだらで滑稽で...優しくて悲しい。


ブルースマンだな。


日本の音楽業界はものすげー男をなくしちまったんだなと思う。


俺がラップでなく歌を選んでいたらこういう歌を歌うだろう。


なんで死んじまうかなあ...会ってみたかった。


話してみたかったよ、どんと。


彼が亡くなったのは俺のメジャーデビューの一年前、2000年だ。


あとちょっとだったのに。


あなたと同じ世界にやっと入る所だったのに。


悲しいし、悔しいよ。


でもあなたの歌は生きてるからな。


俺が死ぬまで語り継ぐだけよ。


この世界にあなたを忘れさせやしねーよ。


若かった俺にいろんなものを見せてくれた。


あなたがいなかったら俺は俺になってないかもしれない。


感謝するばかり。


俺はあなたの歌が心の底から大好きだ。


つーわけで聴いてみておくれ、「トンネル抜けて」。


死んでも生きてる日本のブルースマンの歌を感じてくれ。


でわの。