リュック・ベッソン監督の最新作となれば
どうしたって期待が高まる。
ポスターのキャッチコピーも、
『レオン』から30年、である。
私にとってリュックベッソンは、
「ニキータ」「レオン」「アナ」など、
若くて美しい、孤独な女の戦いを好んで描くという印象が強い。
そして、アクション・エンターテイメントとして、きっちり成立させながら、
人間の孤独であったり、悲哀であったり、人生の残酷さもしっかり描いていく。
そんなイメージがある。
さて『DOGMAN ドッグマン』だが、
リュック・ベッソンのキレキレのアクションが見られるのかと思って見ると
肩透かしを喰らう。
アクションシーンは控えめで、
ドッグマンと呼ばれる女装した男の奇妙な人生と
そして「犬」を描くことに重点が置かれる。
殺しに来た敵を犬がやっつけるっていうシチュエーションは
タランティーノの『ワンス・アポン・イン・ハリウッド』のラストを思い出した。
虐げられた幼少期を過ごした男の数奇な人生という点で。
『ジョーカー』に似ている部分もあるかねえ。