自宅で映画を観ると、お茶を汲んでみたり、ちょっとLINEをチェックしたり、
トイレに立ったり、探し物が気になったりで、何かと集中できないことがよくある。
今年に入って『ファイナルプラン』と『ターミネータ ニューヘイト』を
Amazonプライムで観たが、どちらもそんな感じで、
「見るなら本気で見ろ」という蓮実重彦先生の言葉を思い出し、
罪悪感を抱いてしまった。
さて、『ゆれる』は、そんな集中力が持続しない私が、
最初から最後まで画面に惹きつけられた。
正月休みの最後にこんな作品に出合えて、
しかもAmazonプライムで無料で見ることができるとは幸運である。
主演はオダギリジョー、香川照之、真木よう子。
オダギリジョーと香川照之が兄弟で、真木よう子と
三角関係のような話になるかと思いきや、そうじゃなかった。
真相が最後までよく分からないって点では
是枝監督の『三度目の殺人』に似てるかな。
田舎のガソリンスタンドでアルバイトをする真木よう子が随分と若くてびっくりした。
2006年の作品だから、もう18年前か。
今では洗練された、大人の色気にあふれた女優になっているが、本作品では
地方のやや垢ぬけない女の子。
物語の序盤で元カレであるオダギリジョーと早々にセックスするんだが、
行為中にオダギリジョーが「舌出して」なんて言ったりして、
この辺りも生々しさがあっていい。
吊り橋のシーンも素晴らしかった。
「ショットが決まってる」と言ってよいのか、
風景だけのシーンでも不思議と惹きつけられてしまった。
余韻を残す終わり方も素晴らしい。
もっと西川美和作品を見てみよう。