なお、行政不服審査法は「簡易迅速な手続きによる国民の権利利益の救済を図る」としているが、処分決定をする期限は特に定めていない。
◇被爆者への労災、認められず◇
福島第一原発などにおける仕事で70ミリシーベルトの被曝(ひばく)をし、労災認定を受けた元プラント建設会の社員が、2004年、東京電力に対して訴えを起こした。ところが結局、その訴えは認められなかった。
訴訟の判決は、2008年5月23日、東京地裁であった。松井英隆裁判長は「鎖骨などの病変は、骨髄のがん化した細胞の増加によるものではない」と指摘、また「国際基準による200ミリシーベルト未満の放射線被曝と疾患の因果関係は認められない」として、請求を棄却した。これに対して原告側は、控訴する方針だという。
原告は、がんの一種の多発性骨髄腫になり、2007年に82歳で死亡した。原告を支援してきた関西労働者安全センターの片岡明彦事務局次長は、東京地裁の判決に対して、「労災認定の判断を覆した、極めて異常な判決」と批判している。
◇廃炉しないという方針◇
2009年6月、東京電力の株主総会で、283人の株主から、「福島第一原発3号機でのプルサーマル計画を実施せず、1~3号機までの廃炉を求める」との要求があったが、否決された。
2010年3月、東京電力は、来年で40年を迎える福島第一原発の一号機を、さらに10年運転することができるという主旨の評価書を提出した。評価書では、配管の減肉や腐食の監視、溶接部の超音波検査などをすれば、60年間の運転を仮定しても、安全性に問題はないとしている。
これを受けて保安院は、2011年1月、今後10年間の運転継続を妥当と判断し、40年以上の運転継続を認めた。近く、内閣府の原子力安全委員会に報告するという。
40年超の運転は、国内では日本原子力発電の敦賀原発1号機、関西電力の美浜原発1号機に次いで、3番目になるという。
◇まとめ◇
この他にも問題はたくさん生じているが、重要だと思われる問題の一端を検討してきた。整理すると、東京電力福島第一原発は、(1)1978年に臨界事故を起こしていた。(2)大丈夫とされた震度4にも耐えられなかった。(3)別の地震では、使用済み核燃料プールの水が漏れた。(4)コストを気にして、多くの損傷を隠してきた。(5)国も偽装に関与していた。(6)下請け業者に偽装工作させていた。(7)チェック機能が長期にわたってマヒしていた。(8)内部告発によってはじめて、放射性物質漏れが発覚した。(9)コンクリートの強度は弱められていた疑いがある。(10)データの改ざんは、2002年以降も繰り返され、企業風土の問題となっていた。また保安院は、(11)行政不服審査に対して十分な対応をせず、(12)40年をこえる原子炉の稼動を認めていた。
こうしてつまり、東京電力にも保安院にも、さまざまな問題があったことが分かる。誤りを繰り返さないために、いま何が必要なのか。組織、制度、倫理など、あらゆる面における点検と改革が求められているように思われる。


◇被爆者への労災、認められず◇
福島第一原発などにおける仕事で70ミリシーベルトの被曝(ひばく)をし、労災認定を受けた元プラント建設会の社員が、2004年、東京電力に対して訴えを起こした。ところが結局、その訴えは認められなかった。
訴訟の判決は、2008年5月23日、東京地裁であった。松井英隆裁判長は「鎖骨などの病変は、骨髄のがん化した細胞の増加によるものではない」と指摘、また「国際基準による200ミリシーベルト未満の放射線被曝と疾患の因果関係は認められない」として、請求を棄却した。これに対して原告側は、控訴する方針だという。
原告は、がんの一種の多発性骨髄腫になり、2007年に82歳で死亡した。原告を支援してきた関西労働者安全センターの片岡明彦事務局次長は、東京地裁の判決に対して、「労災認定の判断を覆した、極めて異常な判決」と批判している。
◇廃炉しないという方針◇
2009年6月、東京電力の株主総会で、283人の株主から、「福島第一原発3号機でのプルサーマル計画を実施せず、1~3号機までの廃炉を求める」との要求があったが、否決された。
2010年3月、東京電力は、来年で40年を迎える福島第一原発の一号機を、さらに10年運転することができるという主旨の評価書を提出した。評価書では、配管の減肉や腐食の監視、溶接部の超音波検査などをすれば、60年間の運転を仮定しても、安全性に問題はないとしている。
これを受けて保安院は、2011年1月、今後10年間の運転継続を妥当と判断し、40年以上の運転継続を認めた。近く、内閣府の原子力安全委員会に報告するという。
40年超の運転は、国内では日本原子力発電の敦賀原発1号機、関西電力の美浜原発1号機に次いで、3番目になるという。
◇まとめ◇
この他にも問題はたくさん生じているが、重要だと思われる問題の一端を検討してきた。整理すると、東京電力福島第一原発は、(1)1978年に臨界事故を起こしていた。(2)大丈夫とされた震度4にも耐えられなかった。(3)別の地震では、使用済み核燃料プールの水が漏れた。(4)コストを気にして、多くの損傷を隠してきた。(5)国も偽装に関与していた。(6)下請け業者に偽装工作させていた。(7)チェック機能が長期にわたってマヒしていた。(8)内部告発によってはじめて、放射性物質漏れが発覚した。(9)コンクリートの強度は弱められていた疑いがある。(10)データの改ざんは、2002年以降も繰り返され、企業風土の問題となっていた。また保安院は、(11)行政不服審査に対して十分な対応をせず、(12)40年をこえる原子炉の稼動を認めていた。
こうしてつまり、東京電力にも保安院にも、さまざまな問題があったことが分かる。誤りを繰り返さないために、いま何が必要なのか。組織、制度、倫理など、あらゆる面における点検と改革が求められているように思われる。

