◎実は、しんどかったんだよね
先日、担当している外来患者様とある会話がありました。
その方は、開始当初は週1~2回外来リハビリに来られていました。
徐々に調子がよくなり、外来リハビリが2週間に1回の頻度となりそろそろ卒業(終了)の時期です。
da-yama:「だんだん痛みも無くなってきて、歩き方も良くなってきてきましたね。
歩ける距離も徐々に伸びていますし・・・。いいじゃないですか(笑)!」
患者さん:「家でも、周りをあっちこっち歩いてるよ。歩けなくなっちゃうと困るからね。」
自分に目標があり、こうしたい! こうなりたい! という『気持ち』がある方は、
自分達がやたらアドバイスをしなくても、自主的に日常生活の中で運動を実践してくれています。
この方もそんななかのおひとりです。
転倒により大腿骨の頚部骨折をしてしまいました。 はじめに入院した病院では、
「寝たきりになって、もう歩けなくなるだろうね・・・・。高齢だし・・・・。」 と言われたそうです。
でも、それじゃ~困る ということで、自分のいる外来を受診しリハビリ開始となりました。
リハビリ開始当初、何とか杖を使い歩けるものの、
痛みも強く、 移動手段=歩行 というレベルではありませんでした。
しかし、筋力低下の予防や、深部感覚低下防止のため関節への荷重などを考え
歩行訓練も少しずつ取り入れていました。
歩行訓練を行うたびに、
da-yama:「痛みは大丈夫ですか? しんどくないですか?」
患者さん:「うん・・・。大丈夫。これくらいならね。」
そんな会話がいつもありました。
そして、この前
患者さん:「最初から比べるとだいぶ良くなったよ~。でも、はじめのうちは歩くのはしんどかったんだよ(笑)。」
da-yama:「え~~! 実は歩く練習、辛かったんですか!」
実は、歩行訓練を患者さんはしんどさに耐えながら頑張っていたんです。
なんとなく、その辺(患者さんが頑張り屋だということ)はうすうす感じていましたが、
ここに来ての最後のカミングアウトにはびっくりしました。
でも、やっぱり自分達セラピストが治療して患者さん達が良くなっていくだけではなく、
良くなっていくのには、患者さん達自身の『力』、『気持ち』、『治癒力』みたいなものを
感じずにはいられません。
患者さんが勝手に良くなっていくのならば、セラピストなんて不要だ・・・となるかもしれませんが、
良くなっていく過程における道標的なお手伝いがセラピストなのかなと
学生時代からず~~っと思っています。
学生時代から、思考能力の成長を遂げていない自分です。