池袋ミカド劇場・12中1. 虹歩、2. 牧瀬茜、3. 夢乃うさぎ、4. 金魚、5. 星乃結子、6. 春野いちじく牧瀬茜⇒Take 5の演目、バトンの演目、傘の演目春野いちじく⇒『メリメリ』『ワンルーム』『ミッドナイト』『あお沼恋 ' s クリスマス』
西村未奈『へーつー。』国分寺・天使館、昼。素おどり/西村未奈、音楽/梅原徹。冒頭、腰を折って逆U字型を長時間をかけて深めた後、ゆっくり崩れていく流れは室伏鴻を想起。ほぼ無音に近い状態で(音楽といってもスマホにつないだイヤフォンから環境音のようなものがたまに聞こえてくる程度)、意識的な身体操作の向こう側へ超えていく運動と、手前側に落ちていく運動(「赤ちゃん返り」的な)の間を行き来しているように感じた。何とか自分の背中を見ようとするかのように、左から右から必死に振り返り続けるシーンが、前者の最たるものとして強烈に焼き付いた。あそこは素晴らしく怖かった。
山田せつ子 『いま ここに います』神楽坂・セッションハウス、昼。構成・ダンス/山田せつ子、美術/尾関立子、映像・写真/添田康平一時間強の大半が、踊りというより、動きながら「踊っている状態」に入るきっかけを探ることに費やされているように思えた。45分ほど経過して白黒の映像(街の風景など)が激しく映写され、それに呑み込まれるように立ちすくむ時間があってから、ようやく体がリズムやグルーヴを発し始め、体がねじれやうねりとしての曲線を現し始めた。ここから先が本番と思われるのだが……。踊りというより、踊りについての劇を見た感触。踊ること(「踊っている状態」に入ること)が大変な苦労を要するものとして考えられているようだった。
勅使川原三郎 『幻想』荻窪・カラス アパラタス(B2ホール)。演出・照明・出演/勅使川原三郎、出演/宮田佳、佐東利穂子日没直後を示すイントロ以降、わずかな光を介して深い闇や影が主役となり、陰鬱かつ甘美な光景が暗転を繰り返しながら断片的に示される。劇的な展開はないがイメージがあまりに強烈で、何とも言い難い夢を見た後のような感覚が残る。踊りとしては久々に見た佐東利穂子がますます素晴らしく、全体には抑え気味ながらもここぞという所で多彩な動きを爆発的に繰り出して圧倒された。いきなり横向きに転倒する懐かしい初期勅使川原の振付が出て来るが、それも佐東は音もなく横臥の体勢に至りそのままごく自然に立ち上がるので驚く。