"amp"発売記念ということで。
セルフライナーノーツ企画を行う運びとなりました。
ズバリ、この曲のテーマは…

「もう別れるしか道は無い」

です。苦笑
ご存知の方もそうで無い方も、こちら連作となりまして"Found it"という前作収録楽曲の続きの物語となっているんですが、書く時系列的にもちょうどハマっていたので割とスラスラと書けた記憶があります。
(と言うよりマジで時間無かった…笑)

締切が近くなって漸く脳が本気出すようです。
こんな大人になってはいけません。

そう、大人、世界観的には大人な恋愛です。
いや、そもそも恋愛に子供も大人も無いんですが…
いわゆる「好き・嫌い・付き合う・別れる」的な、分かりやすい状態の話では無いからでしょうか。

本来は聴き手の判断に任せるという大前提なので、事細かに情景や設定を語りたく無いんですが、あまりこういう機会もないので敢えて紐解いていきますね。

順を追っていきましょう。

"Found it"は視覚がテーマだったんですが「感情を可視化させる」という方法で視覚を表現しました。自分は気持ちを伝えているんだけれど、どうも相手が釈然とせず煮え切らない。こちらはもう整っていますし何なら感情の置き所も見つけていますが、君はどうだい?良い加減にしてください(笑)と言うことですね。

そして個人的なポイント、ラストサビ前の箇所です。
「まだ不確かな未来を"抱き締めたい"」
この場合の"抱きしめたい"は所謂「願望」ですね。
そして位置を覚えておいてください。

経て。

なんやかんや上手くいったのか。
それとも別の人なのか、その辺はお任せします。

二人の関係が築けたからといって果たしてそれが幸せかどうか分からなくなる、温度差が少しずつ明確になってくるタイミングがあると思います。
今回の場合は確実に自分の方が上回っちゃってますね。そうなってくるともう好きでいることが辛くなってくることもあると思います。

自分は「痛み無くして得るもの無し」だけど、
相手は「痛み無くして得るもの多数」だった。

凄く自分本意な考え方なんだけど、果たしてそれはどっちが?という。

それでも、このラインでキープできる人もいるかもしれないですが、個人的には人の感情というのは誰しもが永遠に持続できるものでも無いと考えています。そう、緩やかに冷めていってしまう。

今回のテーマ"聴覚"という縛りもあって選んだタイトル"amp"というのは音色や電気信号を増幅させる機械のことで、アンプリファイア略してアンプと言って楽器をやってる人達には馴染み深い言葉ですが、今回のの"amp"は"Found it"の流れも汲んで「感情を増幅させる装置」みたいな感覚で捉えてみてください。

人を好きでいる時って自ら「好き」の気持ちにブーストをかけてる感覚があるんじゃないかなと思っていて「ああいう所も好き」みたいな後付けとか良くあると思います。その作用が身体の何処かにあるアンプによって生み出されているんじゃないかという。

なので「もう終わりにしましょう」って決意を込めて、そのアンプのスイッチを切りますよ、と。

加えて、聴覚に擬えまして…
playlistは生活リズム、bluetoothは連絡の比喩です。

そして位置を覚えておいてくださいと言ったやつ。
覚えてますか?構成的には同じ箇所に出てきます。
「抱き締めても、抱き締めあっていない」
これは前作の「願望」は叶ったけれど、物理的にコチラが一方的にその行為をしているだけで精神的な所では結局すれ違っていたというオチになってます。

はい、バッドエンドです。

でも、こういうこともありますよね。
乗り越えてまた新しい出会いに進みましょう。
という意味で最後はしっかりとアンプのスイッチをオフにする、といった内容となっています。

大枠こんな物語ですが、当てはめ方は人それぞれだと思うので、皆さんの実体験や想像とブレンドしてお楽しみください。こんだけ自分の作品について話すのは中々無いので珍しい企画になりました。楽しんでいただけたでしょうか。

それではまたいつの日か。したっけ