再び『住む。』秋・35号に関して。「小さな畑だから、昔ながらの知恵と技で」(http://blogs.yahoo.co.jp/dcbaha/62757340.html)のほかに「家庭菜園に向く、種の話」という記事をまとめた(p.90~91)。お話を聞いたのは埼玉県飯能市の山間にある小さな種屋さん「野口種苗」の3代目・野口勲さん。
野口種苗さんは固定種を扱う国内でも数少ない店として知る人ぞ知る存在。以前からここの種を購入していたが、今回、訪問は初めて。
固定種はもともと世界中から日本に伝来した種が各地に広まり、その土地の気候風土に馴化、変化しながら、その土地にあった子孫を残しつつ、地方々々の食文化とも結びついて豊かな世界を築いてきた歴史がある。
この固定種が、いまや風前の灯。生産・流通・加工に効率優先が進んだ結果、周年栽培や大量輸送に向く画一化されたF1(交配種)が固定種を駆逐。地方野菜や伝統野菜すらF1化が進んでいるのが現状だ。採種農家も高齢化でほぼ壊滅。
固定種は生育はバラバラでも長く収穫できて長く食べることができるうえに、昔ながらの旬の味が楽しめて、家庭菜園や自給にはぴったり。しかし、このまま固定種がどんどん作られなくなれば、種も一層手に入りにくくなり→ やがて固定種自体が消えてしまう。
野口さんはこの状況に危機感を持ち、家庭菜園は固定種の最後の砦、ぜひ固定種を育て自分で種を採って、古来継がれてきた豊かな種の命を明日に伝えていってほしいと訴えている。
これまで我が家も意識して自給用に固定種を栽培してきたが、お話を伺ってからはさらに気持ちが固まった。
目下、我が畑に蒔いてある固定種は、
島根県出雲地方の伝統野菜の津田かぶ、明治初期、東京世田谷で作り出された大蔵大根、庄内藩が将軍家に献上したこともある温海(あつみ)かぶ、
島根県出雲地方の伝統野菜の津田かぶ、明治初期、東京世田谷で作り出された大蔵大根、庄内藩が将軍家に献上したこともある温海(あつみ)かぶ、
長崎県島原地方に伝えられたこぶ高菜、新潟県鳥谷野地区女池に伝わる女池菜(めいけな)、岩手県遠野地方の山村の農家に伝承されていた早池峰菜(はやちねな)、滋賀県伊吹地方で「峠の大根」として受け継がれてきた地大根の伊吹大根、
奈良時代から伝わるという伝説を持つ京都伝統野菜の松ヶ崎浮菜かぶ、1800年代に千筋京菜と他の菜との自然交配で生まれたと考えられている晩生京壬生菜など。
年内にまだ数種類蒔く予定だ。野口種苗さんの種袋には「採種法」も載っているので、出来る限り自家採種も試みている。