新緑の季節。山が笑っている。その中に、踊っているものがある。
自給自足おばあちゃんちの裏手の朴(ほう)の木。芽吹きが始まっている。
朴葉味噌なんかで食べるあの朴葉。くすんだ茶色の、大きいけれどなんの変哲もない地味な葉。
それが萌え出すときには別人のような姿を見せる。
やわらかなピンクと浅い緑の色。まるで花のような、お祭りの飾りのような、虹のような、極楽鳥のような。
春の日ざしがうれしいのか、木全体でダンスしているのがわかる。
自給自足おばあちゃんが朴の木の思い出話をしてくれた。おばあちゃんの生まれ故郷は山形だ。
・・・・・家にゃ、こんなにでっかい(と両手で円を作って)朴の木があってなぁ、子供んとき、悪さすると、その朴の木に縛り付けられてなぁ。
夜になると、朴の木のてっぺんにフクロウが来て、ホゥー、ホゥーって鳴いて、おっかなかったもんだぁ・・・・
朴の太い幹に縄で縛り付けられて、夜になっても縄をほどいてもらえなかったのか…
いったい全体、どんな悪さ=いたずらをしたんだろう。