雨続きであえなく倒れてしまったネリネ。3年前、たまたま地中50cmあまりのところから掘り出した球根だ。場所は、ふるさとのもとの家の敷地。もとの家が焼け落ちた後、ここは竹がはびこり、ススキが繁り、荒れ放題だった。
そこに引っ越すべく、3年前、1月~6月にかけて、小さな家を建ててもらった。その間、東京から通いながら敷地の整理に没頭した。
春先。竹を切り、枯れ草を焼き、あらゆる種類のゴミを片付け、地面に少しずつ光が届き始めたころ、へらの先のような葉っぱがちょっぴり地表に突き出ているのに気づいた。
球根のようだ。スコップで掘ってみた。まだまだ深い。さらに掘って、もう限界と思われたあたりに大きな球根が幾つもあった。
地中で光を求めて伸びあがっていた葉っぱは、黄色(←画像・中)。深さのある鉢に移し、しばらく日陰に置いて、日に慣らしてから地植えした。
花が咲いたら、このすてきなピンク。ネリネとわかった。
よく「土をいじると、種が動く」と言われる。このネリネ、荒地の暗い地中で何年待ち続けたことだろう。光の波動か、温度の感触か、かすかな揺らぎを嗅ぎ取って、葉っぱを伸ばして、ついには地上に出ることに成功した。ネリネの浮上の物語。