家の敷地を巡る水路のあたりで、毎年、ホタルが飛ぶ。昔ながらの石垣に囲まれた水路は、かつて一度修復された後は手づかずのまま。底のコンクリートが割れて水底が削られたり、あちこちから水が漏れたりしている。
ホタルが生息するにはそれが逆にいいのだろう。魚はいないが、サワガニはいる。ホタルの餌になるカワニナもいるに違いない。
利便から取り残された、古いままの水路のありがたさ。おかげで、今年も、コーヒーカップ片手に、暗くなった庭先から、小さな光が飛び回るのを見ることができた。
意外に素早い方向転換。幻のように糸を引いてゆらめく軌跡。見る者の気持ちを誘い出す。でも、どこへ?
ホタルが飛ぶのと同じ時期に咲くホタルブクロ。ホタルを捕まえてこの花の中で光らせると美しいと聞くが、やったことはない。
ホタルって、甲羅(?)がスベスベしているというか、ヌルヌルしているというか、そっと摘まもうにも摘まみにくいのだ。

