
今年もまた井戸水が使える季節がめぐってきた。なにしろ、今日は4月の陽気。冬が来る前に古井戸の上にかけた古毛布を取り外し、手押しポンプに呼び水を差して、今年一番の井戸水を汲み上げた。
元旦に汲む若水と違って、いわば春水? でも、樋(とい)を走るこの水が我が家の若水だ。
この作業のときは、毎度、「岩走る垂水の上のさ蕨の萌えいづる春になりにけるかも」(万葉集巻8・志貴皇子)を思い出す。思い出して、しみじみとうれしくなる。
古井戸の傍に置いた石の仏さんにも、春のご挨拶。庭にたくさん咲いているクリスマスローズを飾ったが、クリスマスローズじゃ、名前からしてちょっと春からずれているなという気がしないでもない。