「いいえ、作りたいんだけど、難しそうで」。イーストやら種酢やらが必要という人もいて、ということは管理も面倒そうで…
「難しいことなんか、あるもんか。ほれ」と見せてくれたのが、→ 画像右手に見える納屋の中。漬物樽が並ぶ横にポリバケツがあって、
中は、柿がジュクジュク状態で浮かんでいる。熟して落ちた渋柿を拾って(「汚くなるし、ハエがたかるだろ? だったら柿酢、作りゃ、いいんだよ」)、泥や虫食い部分やヘタを取って、ただポリバケツの中に入れるだけと。
エッ? エッ? ほんとにそれだけ? 「ほんとに柿だけだよ。あとはなんもいらんよ。水は入れちゃダメだよ」
半信半疑で舐めさせてもらったら、もうほのかに酢の味がしていた。このまま置いておけば、春先には柿は完全につぶれて、ポリバケツの中は液体だけになっているという。
その上澄みをすくって1升ビンに入れればおしまい。近くの別荘の人がほしいというから、何年も前からあげていると。
「あんたがほしけりゃ、これ、半分やるよ」と言ってくれたので、すぐに家に戻って甕を持参して、移してもらった。こんなに簡単に柿酢が作れるんなら、来年は自分で仕込んでみよう。
納屋の中には、ほかに、干し柿が整然と干してあった。ガラス戸を通して差し込む日を受けて輝いている。
干し柿は、ある程度は外で日に当て、外側が硬くなったら手でもんで、それからは(納屋の)中に入れておくと、真っ白に粉を吹くそう。いつまでも外におくと、硬くなってしまうし、粉もあまり吹かず、おいしくないそう。よし、頭に入れておこう。
いつ行っても、何かしらの知恵を伝授してくれるおばあちゃん。暮らしの大先輩の1人だ。
自給自足おばあちゃん(