樹上に実る豆じゃなく、土中に育つ根っこ、ルートチコリからコーヒーを作った。以前、タンポポの根っこを掘ってタンポポコーヒーを作ったことがある。乾燥させると、根っこはうんと縮んでしまって、ほんのちょっとの粉にしかならなかった。
ルートチコリなら根っこが太いから、もっとたくさん作れると予想したのだが、7月に定植して半年近く。ニンジンのように育っているはずの根っこは、掘り出してみたら、マンドラゴラ顔負けのねじれ具合。
それでも、量だけは確保できた。その後が、粉にするまでが、まあ、手間ひまがかかって!
タワシでよく洗って泥を落とし、スライスして乾燥させて(意外や、この根っこは、乾燥しにくい)、フードチョッパーでこまかくカットして、七厘にフライパンを乗せてカラ炒りする。遠火の直火でゆっくり炒るうちに、だんだん茶色がかって、コーヒーらしくなってくる。
いざ淹れる段になって、いつもの普通のコーヒーと同じ量を計ったが、いや、いや、もったいないと、ペーパーフィルターの中から少しへずった。ここまで手間ひまかけたんだもの、無駄なく大事に飲もうという気持ちだ。
1口すすると、どこか懐かしい、根菜っぽい喉ごし。香りは麦こがしに似ている。正直、風味はやや物足りない。穀物・どんぐり・チコリほかがブレンドされたオーガニックコーヒーを飲んでいたことがあって、その味と比較してしまうから、当然。とはいえ、もちろん満足、満足。
今回のチコリコーヒー第1回分。残りは、ターシャ・チューダーさんのコーギーコテージが販売している「ウェルシュ ブレックファーストティー」の空き缶にしまった。
(ティーじゃなく、コーヒーだけれど、毎朝、ブレックファーストコーヒーを飲むから、まあ、よしとして)。
飲む物、食べる物を自分で作るということは、時間と手間ひまをかけるということだ。お金と引き換えに手に入れたものではなく、自然の恵み=時間=と人の手間ひまとから生み出されるものが持つ、温かみのある価値。
コーヒー1杯にもあらためてそれを実感する。
