イメージ 1庭から、南アルプスの山々が見える。朝は、いつも山並みを眺めて、ものを食べ、夕暮れどきは、畑仕事の手を休めて、稜線を染める夕焼けに見とれる。

小さいころから、いつもこの山々を見ていた。きっと、生まれてからもずっと、だれかの背中に負ぶわれながら山を見ていたに違いない。

まだ、言葉というものを知らなかったころ。山がいつもそこにあることで、思いは、山に向かい、山に受け止められて、また戻ってきた。

それを繰り返す中で、いつしか、言葉というものを探し当てたように思う。山を眺めるたびに、心の中で少しずつ言葉を呟くようになった。

一番多く呟いたのが、「ここは、いいところだなあ」
田舎の子どもにも、さまざまなことが去来する。でも、山があるから、ここは、よかった。

戻ってきて、今も、毎日、同じことを思う。
「山は、いいなあ。ここは、いいところだなあ」