災害医療の観点から、東北関東大震災が阪神淡路大震災と
決定的に違うのは、急性期医療がほとんどなかったこと。
災害医療は、発災から72時間までの急性期、その後の
亜急性期、そして慢性期と、時系列にニーズが変わると
考えられていた。ところが今回は、津波に流されて溺水から
窒息による死亡か、逃げ切って無傷か、というほぼ二者択一。
ところが、無傷の人はほとんどが慢性期疾患を抱えておられ
薬も何もかも水に流されて、症状が増悪してしまう。
これに東北特有の我慢強さと日本人特有の「迷惑をかけたく
ない」という思いから、不自由な中では自ら医療を受けようとはしない。
避難されていたある高齢者は血圧が上200だったそうです。
それでも2週間生きてこられた。もう、よかったとしか言いようがない。
今は慢性期疾患管理と公衆衛生面の水準確保が課題。でも、
今後、メンタルヘルス対策が必要になるでしょうね。
迷惑をかけたくないという高齢の方、なかには「私はもういい」
なんて小声で語る方もいたとか。今まで生きてこられて、
本音かもしれない。でも、そんな皆さんが生き残ったのは
神様がもうちょっと、やることありますよ、なんて言っている
のかもしれない。なんだろう、やることって。
最後まで生き抜く姿を残った者に示すことか。
・・・それにしても、神様は惨いことをしたと思う。今、気温が
低いのは、ご遺体が傷むのを少しでも遅らせようとする
配慮なのか。
そんなことまで考えさせられてしまう天変地異である。



