経済評論家 森永卓郎さんの新著を読みました。
本書のテーマは下記3つです。
・ジャニーズ性加害
・財務省のカルト的緊縮財政
・日航機123便墜落事故
1985年8月12日。日本航空123便が操縦不能に陥り群馬県の高天原山に墜落。520人の死者を出した世界最悪の航空事故となりました。
この日航機123便墜落事故原因の公式見解としては、
「機体後部の圧力隔壁が破損し、機体内部から吹き出した空気圧力で尾翼の一部と油圧装置が吹き飛んで、機体コントロール不能になったことが原因である。
そもそもこの機体は当該事故以前に尻もち事故を起こしており、その時にボーイング社が圧力隔壁を誤った方法で修理したことが破損につながったとされる。」
森永さんによると、この航空事故調査委員会が示した公式見解「圧力隔壁説」はデタラメであるとのことです。
なぜか。
理由は3つ
①圧力隔壁が破損した時、123便は高度7,300mを飛んでいた。もし、そこで尾翼が吹き飛ばされる勢いで機内の空気が噴き出せば、客室内の人も荷物も無事ではいられず、空中に放り出されてしまう。
②また、2002年に同じような事故が起こしたチャイナエアライン611便は機体が空中分解して海上へと墜落した。
本来、高い高度で機体に穴が開くとそのような結果をもたらすものであるが、123便の機体は尾翼の一部を除いて無事であったこともおかしい。
③2013年に航空事故調査委員会は別冊の報告書を公表した。そこには、「異常外力の着力点」が示されており、当該ポイントに何らかの飛翔体が衝突したと考えられる。
では、尾翼に衝突したものは一体なにか。
森永さんによると、事故当日、自衛隊が国産巡航ミサイルの洋上飛行実験中に突発的事故が発生し、非炸薬ミサイルまたは無人標的機が123便の尾翼に当たってしまったことだそうです。
1985年当時は自衛隊に向けられる国民の目線は厳しく、野党も「非武装中立」という安全保障感が根強かった。事故とはいえ自衛隊が民間機を攻撃したとなったら、時の政権が吹き飛ぶくらいの時代背景があった。
日本政府は自衛隊の失態を揉み消すために、自衛隊機を出動させ123便を撃墜。
墜落後、自衛隊の別働部隊である特殊部隊が現場にやってきて、火炎放射器を使って証拠や証人をすべて焼き払って完全炭化させた。
これが本書で語られている森永さんによる推察です。
僕の感想としては、都市伝説を聞いたような感覚です
「信じるか信じないかはあなた次第です」のやりすぎ都市伝説的な、いわゆる、陰謀論(conspiracy theory)だと思います。
仮に時の政権や自衛隊がそのような揉み消しをやっていたとしても、組織全体が一枚岩になって隠し切るのは不可能だと思いますよ。
組織にはいろんな考えの人がいますので、その中の良識派と言われる人たちが洗いざらい情報をリークするはずですよ。
ただ、ジャニーズの性加害問題について考えてみると、たしかにジャニー喜多川氏の歪んだ性癖は90年代から噂されていて、僕も中高生の頃から都市伝説的な感覚で知ってはいました。
その頃はまだスマホもSNSもなかったため、今ほどの
「情報の民主化」
「情報の国際化」
「コンプライアンス」
がなかった時代でした。
ところが今はすべての物事が世論とコンプライアンスに照らされ、世界中から評価を受けます。
都市伝説なのかどうか白黒はっきりさせる時代になりました。
2023年はジャニーズ性加害問題が白日のもとに晒されましたが、次はこの日航機123便墜落事故の真相解明がなされる番なのでしょうか。
僕個人の結論としては、何が事実かなんて分かりません。
僕は一介の公認会計士にすぎませんので、事故調査報告書やその別冊も読んだことはありませんし、今後も読むこともないと思います。
しかしながら、この事故では多くの方がお亡くなりになられたわけですから、マスメディアにはできる限り真実の方に迫って欲しいものです。
ただ、そのマスメディアは日本ではなく海外の方々だと思います。
ジャニーズ性加害問題を取り上げたイギリスのBBCのように。
日本人には日本を変えることはできないと思います。
外圧がないと変われない日本の性分は相変わらずです。
良きにつけ悪しきにつけ、日本を変えるのはいつの時代も外国人です。
そして話を日航機123便の事故に戻すと、森永さんはこの事故を機に日本を取り巻く状況が一変したと指摘されています。
ここからが経済評論家である森永卓郎さんのオリジナルの見立てで、とても斬新です。
森永さんの123便墜落事故の見立てが正しいとすると、日本政府は事故原因をボーイング社になすり付けたことになり、ボーイング社及びアメリカ政府の顔に泥を塗ったことになる。
その見返りとして、アメリカ政府の言うことを聞かざるを得なくなった。
さもなくばアメリカから
「123便の真実をバラすぞ」
と脅されてしまうからである。
それで受け入れさせられたのが
・プラザ合意
→円高不況へ
・日米半導体協定
→半導体産業の凋落へ
・年次改革要望書
→不良債権処理で企業資産が二束三文でハゲタカファンドへ
日航機123便墜落事故がきっかけとなり、日本経済の潮目がガラッと変わったのです。
ここでまとめを終わりますが、森永さんは現在、膵臓がんステージ4だそうです。
僕が森永卓郎をはじめてテレビで拝見したのが、2000年代初頭だったと思います。
とてもお茶目で愛らしい方という印象を持っていました。
2003年に『年収300万円を生き抜く経済学』が出版されたときには、
当時、僕は高校生ながら
「何を言ってるんだ、森永さんは。世界第2位の経済大国日本でサラリーマンの年収が300万になるわけがないじゃないか。」
だけど、2024年の今の日本社会を観察すると、リーマンショックを境に平均給与がガクンと下がっています。
上記推移を見ると400万円以上はキープしているものの、上がっていくトレンドがないと言う意味では、森永さんは先見の明があったのかなと思います。
本書を森永さんからのラストメッセージとして受け止めました。