最後に
柩の中のあなたを覗いた

気にしていた
オデコが丸出し

私はそっと手で
前髪を直した

有難うくらい言いなさいよ



さよならと
手を振るんじゃなくて
ピアノ弾くよな指のバイバイになっちゃった

ニコってくらい笑いなさいよ



あなた
こんなに澄ました顔が出来たのね



知らなかった

最初で最後の顔だったよ





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履き慣れない黒い靴をカッカッと颯爽と歩いていた

つもりが・・・

滑って着地失敗

場所は違うがいつも転ぶ駅だ

この駅は私に足を留めて欲しいらしい

分かってる
この駅よほど
私が好きなのだな←オイ!

等と思いながら破れた黒いストッキングを

トイレで穿き替えた

余裕を持って行動する方なので式には
十分間に合った





昨日
お手伝いヘルパーをしていた友人の告別式だった




看取ったのは私ひとり

誰も居ないより
良かったね

あーあ
私は病人仲間皆の分まで
ひとりで長生き頑張らなきゃいけなくなったよ

狡いではないか

これで友人の
いつ終りになるか分からない位の一人お喋りの

・・・終止符






【人間三百六十五日
何の心配も無い日が
一日 いや半日あったら
それは仕合せな人間です】

 太宰治




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