ちょうど10年前の私は、音響を勉強しに専門学校へ通うので、
親の援助で一人暮らしを始めてもうすぐ1年になる頃でした。
日本の多くの学生達と同じく、
入学前の意気込みはすっかり見る影も無くなって、学校に顔を出すのも億劫になっていた頃です。
(ちなみに妻と付き合い始めたのはその頃でした。)
バッチリ昼も夜も無くなった生活の中で、
これまた、この年頃の男子の多くが思うように
「普通の人生なんてまっぴらゴメンだ」
とだけは、
いつもご立派に考えていました。
「普通の人生」
とはどんなでしょう。
ぼんやり惰性に身を任せて、のらりくらり日々をこなしつつも、
いつの間にか家族を設けたり無難な地位に就いたりしている人生でしょうか。
今時そんな贅沢な暮らし、よほど頑張って良い大学を出ても難しそうです。
では、
ロックバンドの歌詞や不良漫画の主人公の台詞に出てきそうな
「勉強仕事に疲れて首を吊る」
人生でしょうか。
それならまあ、有り得る話しです。
あれから10年経った今の私が欲しいのは。
妻と、先々授かるであろう子供達と、
暖かい家でおいしいごはんを食べたり、外へ出て季節を愛でたり。
時には、
家の外や中から起こる問題に取り組んだりもしながら私がなんとかでも糧を獲て。
たまには友達と昔を懐かしんだり、新しい事を祝ったり。
でしょうか。
明日は私の人生における、やや節目的な日です。
その異常な未来を掴み取るために自分でそうしました。
それはきっと普通な事であれば良いです。

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