ある日のこと。


  茹でた玉蜀黍(トウモロコシ)が、

    美味しい季節に入っていた。


休暇をとっていた日中のわたしは

 いつも家族で食事をする

  亡き祖父の名づけた書斎にいて、

    甘い玉蜀黍を味わっていたら。


『・・・え?取れないの?』

つい先日まで、米粒大の大きさだった

 光る繭玉の妖精というのか生霊というのか、が。

 

  原寸大の大きさで隣の部屋の

     最強の仏間にやってきていた。


    ◇