ある晩のこと。


 それは翌日の夜だった。

 たしか、今年の3月、4月頃だったなぁ。


  若かりし頃の心の傷がフラッシュバックして、

  突然泣きながら起きた、深夜に

   寝室兼リビングのわたしの部屋のドアの奥で

   蹄が掛けてくる音がした。


その音の方向は、

明らかに廊下だった。


  ◇