ある日のこと。 


 朝起きて、1階へ挨拶に向かうと

 お勝手のすぐ脇のところに、  

 柱のように背の高い男性がいるな、と思った。


  何か、何ともなく、微動だにしないので、

  朝だったけれど

  「おはよう。」と、背伸びして言ってみた。



 無反応。

 「・・・見えていないなんてこと、あるのかしら?」

 

わたしは、ながらく階段から出てこなかった

彼のことを心配していた。



 ◇