ある日のこと。

亡き祖父が
大学に教えに行っている午前中、

わたしは まだ、うぅんと幼く、
小さかった。

成長期の身体の痛みを経験する
はるか前の、園児だった頃。

『ふ~じ~は、日本一の山~』と
覚えたての簡易な歌詞を
鼻歌しては、

2階の‘真ん中の部屋’と
祖父の当時、書斎だった部屋を
行き来していた。