ある日のこと。


 空を見上げたわたしは、

 雲の中で、天候の会議が長引いていると知り、

 古木のところへ走っていった。


   『嵐が来ます。暫く掃除が出来なくなりそうです。』


  古木は何かを考えている表情で、だまっていた。

  

 あまりに神妙な顔なので、

 緊張したわたしの心を読み取った古木が、

 とても穏やかに『気をつけて帰りなさい。』と

                        おっしゃった。