未だかつて、

 きちんとした霊感なかった◇に、

   元旦を越えた夜、オバが言いました。

 

   「親しくしている私の犬友達の最近亡くなった

     わんちゃん(犬)とかって、視えたりする?」

                

  “犬”と出た時点で、机ひとつ挟み、

   向かい合うオバの右肩の方に、

        どこからともなく

 舌ベロを垂らしながら、走ってやってきた

 身軽(痩せ型)な黒い犬がいました。


毛並みが馬のようにツヤツヤで、どっちかっていうと

 ギシっとしていて、

ハッハッ、ハッハッ、息を切らせながら◇に一言。


     『おまえ、視えるのかあ?!』


その時名前はわかりませんでしたが、

洗いざらい特徴をオバに伝えたところ、名前は“リックン”と教えてくれました。

  今まで視えてきたものたちと

  同じような実態のある感じで視えていたので、

  特に驚きはありませんでした。


 ただ、初めて時空を走ってやってくる黒犬を視たので、

 割と大きいオスだったし、あまりにリアルな映像で、

 目の前のことをオバに隅々まで伝えました。