§温暖化の影響について近未来のイメージを書きます。


第一期(1年~6年 2009~2015年 5合目)

この数年で(温暖化の極端な影響が起こることで)温暖化対応は「もしかしたら手遅れではないか」という共通認識が、専門家だけではなくボーとしていた政治家も認識することとなる。


ここで本格的対応(事実上最優先予算となり、ある段階で軍事費を抜く)が始まる。ここが6合目か。



第2期(3年~15年 2012年から2025年 8合目)先進国では洪水やハリケーン、熱波で死者が続出し、経済的被害の対応予算の天井しらずの増加と需要の極端な減少による構造的不況、治安悪化、食料品等部分的ハイパーインフレ等が波状的に起こる。



ある段階でそれが拡大再生産する構造的なものだという市民レベルでの共通認識が生まれる。

途上国の混乱が先行するので、その段階で先の先進国の市民レベルの共通認識が生まれる可能性もある。
途上国は洪水と干ばつ、食糧問題と健康問題、水不足が深刻となり、しかも先進国からの援助が事実上途絶える。(余裕がなくなる)

テロ(先進国は原発占拠を防ぐため軍を本格出動して防衛することとなる)と局地的紛争が常態化し、国連など国際機関は資金不足でほとんど機能しなくなる。人の移動は厳しく制限される。

すなはち、これまでの通常の生活を維持するのに必要な経済システムが維持できないのではないかという不安の共有段階が訪れる。


人類がこれまで継続してきた発展だけでなく、現在の文明の維持も困難ではないかという危機意識の共有である。

すなわち地球がタイタニック状態であり、氷山を避けるために舵を切る時機をとっくに通過してしまった事が共通認識となる。


その段階で戦時下のようなヒステリックな環境シフトが起こる。ここからすさまじい個別サバイバル競争が起こる。じわじわ上がってきた山林や農地が暴騰する。



第3期(10年~25年 2020年~2035年 上がり)


環境シフトがなされても温暖化被害は拡大するので、環境シフトは継続する。ただし目先の被害への予算手当てが優先するので十分な資金が環境産業に向かわない可能性もある。

展望を持った経済運営が不可能となり、実質上のギブアップ宣言を世界の指導者が行うこととなる。上がり。




人類文明の崩壊への号砲が一般市民にも聞こえる時は確実に近づいていると考えます。



§「構想力無き亡国政策」

15兆円の補正予算案が発表された。あまりにも露骨な選挙対策の亡国ばら撒き予算である。

しかもこの大盤振る舞いをどのように補填するのかの出口戦略がない。

オバマは膨大な国債を出すが自分の任期中に財政赤字を半減させると公約したまた2兆ドルの無駄を削ることが可能であると述べた

日本の補正予算に各種の行政の無駄に大きく切り込むという、自らの身を削るメニューは皆無である。


財政赤字対策としては『景気が回復したら消費税を上げる』と言う大甘の見通ししか述べていない。こんな処方箋なら中学生でも描くことができる。

先のことなど考えず、ばら撒いておけば目先の選挙は乗り切れるという事であろう。日本国民も甘く見られたものである。



温暖化対策の化粧はしているが、ごまかしの化粧である。

温暖化対策を本気で考えるならば、高い効果の期待できる施策は低炭素社会構築の制度的枠組みである。


具体的には

第1にEU並みの本格的排出権取引導入による炭素排出に値段を付けること。オバマ政権は導入方向であり、州単位では事実上動き始めている。

日本は経団連の反対で政府は立ち往生状態で、しかも選挙対策効果が低いため手がつかない。


第2に2020年の中期目標を30から40パーセントで策定すること。(現在は10パーセント前後をメインシナリオにしようとしている)


この数値が出れば、国が膨大な税金をつぎ込まなくても企業は温暖化シフトに本格的に走り出す。


エコ家電への援助などしなくても、この削減目標が採用されれば、エコ家電しか作れなくなり、省エネ製品生産競争が本格化し、コストは大幅に下がり、価格も下がるのである。


第3にエコカーへに補助だけでなく、少なくとも半分以上は車から公共交通手段への切り替えとカーシエアリングシステムの普及に当てるべきである。車の絶対数は減らす構想を持つべきである。


第4に自然エネルギーの中期目標を改めて策定すること。(現在は2014年までに1.64パーセントが目標)

EUは2020年までに20パーセントを自然エネルギーでまかなうという。


第5に太陽光の補助をドイツ並みに発電量の全額を電気料金の2倍から3倍で買いとる仕組みにすること。

現在日本で予定されている内容は自家消費以外の余剰分を2倍で買い取る仕組みである。これでは売れるのは発電量の半分以下となり、資金回収は各種補助金を利用しても15年くらいとなる。

ドイツは回収に10年をきってきたために、一気に普及して世界1の座を日本から奪った。


第6に風力発電を本格的に導入する構想を持つこと。現在は電力会社に遠慮して供給電力の不安定さ、適地が少ないなどの(解決可能な)問題点をあげて本格的普及姿勢は放棄されている。


日本では、太陽光で採用される買い取り価格の優遇も風力は予定されていない。デンマーク、ドイツ、アメリカなどでは風力発電コストが通常の平均的電力コストに近づいている。

もっともコスト競争力のある自然エネルギーは風力発電であることは既に世界の共通認識である。


総じて日本政府は本気で温暖化シフトを考えてはいないのである。


3月27日温暖化ガスの中期的削減目標を検討する『中期目標検討委員会』が選択肢を公開した。もっとも厳しい数値で25パーセント削減である。しかもこの数値は経済的負担が大きすぎるとしてメインシナリオからはずす方向である。


驚くべき結果である。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は産業革命前に比べて2度の上昇に抑えるには、


2020年には25パーセント~40パーセントの削減

2050年には50から85パーセントの削減

が必要と指摘した。


2度Cは多くの学者やEUが質的限界として意識している数値である。(何回か指摘済み)

質的限界とはそれを超えると温暖化の制御が利かず温暖化ガスの排出をやめても温暖化が進行するという限界である。


この質的限界については1+1が2になるような証明はなされていない。しかし気候変動のような地球レベルの巨大変化への対処は『予防原則』の立場が国際的に合意されている。


『予防原則』とは人間が修復する能力のない事象に対しては十全な科学的根拠がなくても、有力な根拠があれば対処するべきという立場である。


『予防原則』の立場よりも『目先の経済的負担の増加の回避』を優先させたのが今回の答申である。

しかも経済的負担についてもいかにも恣意的試算である。


・環境対応のもたらす経済効果が過小評価されている。

・対応が遅れた場合の経済的負担などが事実状無視されている。

・先に発表され世界でも認知されている「スターン報告」(早い対処が経済的負担を軽くすると言う指摘)を完全に無視している。


答申の根本的問題点は、現在の経済的豊かさの享受が持続可能ではないという立場にたっていないということである。現在の先進国の生活は持続可能ではない。根拠は世界は『エコロジカルフットプリント(経済活動など人間の営みが地球にかけている負担で、1以下なら再生可能範囲となる)』で1を越えているからである。


日本は2.4であり、地球上の全ての人間が日本人並の生活をすれば地球が2.4個必要ということである。


CO2排出では日本人一人約10トン(1年)であるがCO2排出をCO2吸収の範囲に納めるには約2トンまで減らさなければならない。


現在の日本の生活様式は持続可能ではなく、破綻への道を促進しているのである。


温暖化NGOは予想されていたとはいえ最後の戦いでまたも厳しい試練を迎えることとなった。


市場

不良資産買取の枠組みが発表された。最大限の公的支援の下、民間資金を巻き込んだ100兆円を限度にとする枠組みである。市場原理にのっとって動き始めることができればベストシナリオということになる。


市場は成功見込みを持った枠組みであろうという評価でプラス評価している。しかしAIGの抱える信用負担は数千兆円であると言われる。そにうち何割が不良資産化しているか、当事者のAIGも把握できないとも報じられている。当然米政府も把握できていないであろう。


その割合が10パーセント程度であれば今回の枠組みで対応できるだろう。繰り返しになりますがその額が1000兆円レベルであれば今回の枠組みでは対応できない。


米政府にとっても、やってみなければ分からないというびくびくの取り組みであろう。GM抜本再生の枠組み(中途半端な資本注入になれば市場はマイナス評価する)が提起されるかも含めて神経質にウオッチすべきである。



ストップ温暖化

米国の温暖化への中期削減目標数値に関しての発表が近く行われる。現在のところ米国は2020年に1990年レベルに抑えるというのが公式の立場である。


米国政府がこれを上回る数値をうち出せば大きなサプライズであり、世界の環境シフトは本格化する。


その場合は質的変化が起こる。すなわち温暖化ガス削減目標に関して「なるべく低い目標値のほうが得」という空気(日本のように)は一変する。


2050年の削減量が世界で50パーセント、先進国で80パーセント以上ということがメインシナリオとなれば(米国がその方向で動き出せば)目先の削減量を2,3パーセント低くしても意味がないことになる。


どれだけ早く本格削減を実現するかの競争となるからである。ここで世界の環境シフトはステージを変えることになる。



日本政府の驚くべき外交戦略の欠如

朝鮮民主主義共和国のミサイルが日本上空を通過する。失敗すれば本土に落下する。なぜやめさせられないのか、やめさせるための手は尽くしたのか。外務省の官僚以上の知恵は出ないのであろう。


まず北への影響力を持つ国は中国と米国である。日本が中国と米国に持つ影響力カードは何か。

中国への直接的カードはないかもしれないが、米国に対してはある。米国国債保有高は中国に抜かれたとはいえ2位である。今回のオバマのグリーンニューディールでも大量の国債が発行され、その買取が日本に期待されている。中国は最近米国国債購入に消極的である。


日本の国債保有(アフガニスタン支援も含めて)をカードに米国に「いつもと違う」迫力(国民世論も喚起して)で北への対応を迫るべきである。米国は安保理で議題にすることは賛成しているが、6カ国協議の枠組みの維持をより重視していると言われる。北もそこを見越して日本のみを名指しで批判している。足元を見透かされているのである。米国に「日本を守る義務があるでしょう」と国民とともに素朴に迫るのである。



中国には日本の直接的影響力行使が困難でも、米国が本気で北への影響力行使を中国に迫れば、中国も本気になる可能性が生まれる。

それでもミサイルは発射されるだろうが、北の日本への対応は今後慎重にならざるを得ない。


「ポチのふりなのか、本当のポチなのか」、日本の政治家と国民のレベルが問われている。