新興国の成長鈍化の兆し(これも主要因はインフレ)と世界的インフレ傾向が現在の経済トレンドを形成している。
ウオッチすべきは①中国景気の停滞、不動産バブル崩壊②米国景気の自律回復のレベル③日本のラストチヤンスとしての構造改革が進展するか。失敗すれば国債の暴落の現実的可能性生じる。
・格付け会社S&P米国国債引き下げ方向の評価。
・EUと中国等新興国は景気よりインフレ対応を優先して金利引き上げ。
主要国でインフレ対応より景気刺激を優先して金融緩和政策をとり続けているのは米国と日本。
・米国が6月に金融緩和策を終焉させるのかどうかに市場は注目。
確率は5分5分か。
米国でも景気の立ち直りは緩やかだが、インフレ対応はその比重を高めつつある。
・新興国のインフレ対応に伴う金利上昇により、景気の鈍化傾向が明確になりつつある。中国はインフレ率は5パーセント(目標4パーセント)をこえ、ベトナムは17パーセントを越えた。
(分析)
中国では銀行金利が物価上昇率に追いつかず、銀行に預ければ資産が目減りする状況であり、実物商品が買いあさられている。それが更にインフレをもたらすという悪循環である。
更に『ジャスミン革命』の影響を抑えるため内陸部の所得を増やす必要があり、政府主導で賃金の半ば強制的上昇が続いている。中国では人件費上昇と資源高がインフレ要因となっている.
更に中国の政治経済の危機はステージを変えつつあると思われる。
最近の中国共産党のヒステリックな思想、宗教、人権運動弾圧は共産党の強さの反映ではなく、『共産党の恐怖の表れ』である。
中国で起こっていること。中国が更なる経済発展を維持するには、一段の市場原理の徹底が必要である。
市場原理の徹底の最大の障害は中国共産党の特権であることが見えてきつつある。経済発展の障害は歴史の力で取り除かれる。共産党幹部はそれを感じてとって恐怖心を抱いているのである。
思想弾圧強化と賃金上昇という「あめとムチ」で「共産党の危機」を乗り越えようとしている。
金利の引き上げと賃金上昇は目先景気抑制要因である。現在7パーセント成長を目指しているが、7パーセントを切るようなことになれば失業者があふれる。
政府は広範な失業者を生み出すことを最も懸念している。
綱渡りの政策運営を行っているわけである。
綱渡りが成功するか否かを決定づける鍵は『インフレ』である。
(続く)