「トヨタの憂鬱」


トヨタは今年度も昨年に続き赤字見通しである。


現在直面している問題が、耐えれば回復する試練であれば、財政基盤の潤沢なトヨタは磐石であろう。


しかし今回の試練は質的変化を迫るラディカルな問いである。


第1に借金を組みこんだアメリカの需要が復活することはないということ。


第2に若者を中心とする構造的車離れ。これは車が嫌いになったというより、車が大半の人が必ず1回は関心を持つと言う対象ではなくなり「One of them」となったということである。


第3に電気自動車がガソリンエンジンに取って代わる可能性が出てきたということである


これはきわめて重要な問題である。


米国と中国の電気自動車企業が車王国の日本に上陸するのはその象徴的出来事である。


端的にいえば、トヨタはガソリンエンジン部門での圧倒的強さゆえに思い切った電気自動車への舵きりができない。


トヨタの出す電気自動車は走行距離80キロ程度の近距離用に用途を限ったもので、本格参入を視野に入れていない。


米国ベンチャー企業や中国の電気自動車メーカー、そして三菱自動車は電気自動車が自動車業界を席巻する可能性を追求している。


周知のように電気自動車が主戦場ということになれば、電機メーカーと電池メーカーが自動車部品の中枢をになうことになる。


電池メーカーが電気自動車のグローバルスタンダードを作り出す可能性もあるわけである。現在既に始まっているように、車メーカーは電気、電池メーカーとどのようコラボするかの判断を迫られているわけである。


車メーカーは車の将来にどのような構想力を持つか、優先順位をどこにおくかの決断が迫られている。現在のトップの判断が企業の明暗を分ける。


しかもトップの判断が定まらない企業が大半である

特ににトヨタはおそらく電気自動車に大きな比重を移すべきとの判断はあるのだろうが、それは自らの利益の大半を稼ぎ出すガソリン車の否定につながる可能性があるため思い切ったシフトができない。


ある種の大企業病である。


分社化するであろう優良GMは思い切ったシフトをするはずである。歴史の皮肉の山場が演じられるだろう。GMは質的判断を求められる時期に破綻して身軽に大きな舵を切る。


一方成功企業のトヨタは生産台数の世界トップに立ったとき、その大きさと成功体験ゆえに思い切った舵きりを躊躇するのである。


歴史舞台で強と弱者がまさにその極で、強弱の立場の逆転が起こるのである。




「豚インフルエンザ」


”人ー人感染発生!”

ー世界的大感染(パンデミック)の可能性!ー


4月26日午後1時現在の状況

メキシコー死者81名、感染者1300名。アメリカー感染者11名。日本ーメキシコからの帰国者のうち3名が風邪の症状を示し、監視中。


国連の世界保健機構(WHO)は25日緊急に専門家会議を開いた。事務局長は『深刻な事態』と述べ、世界的に広がるかどうかは判断できないと述べた。


ウイルスは鳥ー豚ー人に感染する混合型に変異したものではないかといわれる。


重要なことは、人ー人感染するウイルスが出現したということである。


現在準備している予防ワクチンは鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)用で今回の豚インフルエンザには効かない。タミフルなどは一定の効果があるという。

ワクチンを新たに作るには1年半ほどかかるという。


今後の見通し

世界的大流行になるかは不明である。

米国で死者が出れば新たなステージとなる。

日本に入るかどうかは別にして、メキシコ、アメリカ以外の複数の国に広がる可能性は非常に高いだろう。

メキシコでは患者の隔離がなされると言う。コレラなどの伝染病と同じ扱いとなるだろう。

本来なら日本はメキシコからの帰国者を隔離して検査すべきであるが、そこまでの対処をしていない。


一定のレベル(ここまで今回の事態が進むかは現在判断できない)で経済は再びフリーズする(一気に需要が消える)。

世界の財政出動の効果は雲散霧消し、副作用(国による国債の利払いの急激な上昇、スタグフレーション(不況下のインフレ)等)が経済を打つことになる。


日本は「財政出動ー経済回復ー税収増」というシナリオが崩れ、不況下の消費税大幅アップか、国債の評価が下がり利払いが増えるかの選択を迫られることになる。


(現在考えられる対処)

ウイルスは既に日本に入ってきている可能性があるので少なくとも一定の流行があるという前提で対処すべきである。


・感染の可能性を低くする対処

・大流行した場合への備え

①通常の風邪対策を行う(手洗い、うがい等)。

②外出を極力控える。

③少し高いマスクを十分に用意する。

④大流行に備えて2週間から2ヶ月の自宅待機対応。

(食糧、日用品、薬、病院、他。)

⑤近くの信頼できる友人との協力の約束。

⑥近くの病院でどこまでの対応(患者を受け付けるか、タミフルなどの接種は可能か、その病院で対応できない場合はどうすれば良いか等)ができるかの情報を取る。


⑦(最も重要)

情報は成政府発表だけでなく、WHOなどの国連機関、アメリカ当局、メキシコ当局、専門家の意見を把握して対処のレベルを決める。


残念ながら政府の対処は遅れ気味となる傾向があります。

一定のレベルと判断できたら政府対応がなくても子供の休校措置など思い切った対処をすべきです。


最も陥りがちな誤りは皆が大騒ぎしていないのに自分だけ大騒ぎしていると思いがちなことです。

非日常的出来事への平均的対処は遅れるのが普通なのです。


大事な子供と自身の生命を守るため自分の頭で情報判断すべきときです。


このブログでもレベル判断は行いますので参考にしてください。




豚インフルエンザ第2弾(4月28日0時現在)

メキシコ死者103名(感染者1600人以上)、広がりは米国、カナダ、スペイン、他に可能性のある国数カ国。


メキシコ以外では死者の報告なし。子供や年寄りよりも若者に死者が多い。ワクチンは存在しないが高ウイルス剤のタミフルなどは有効。

WHOはフェーズ3から4(5の可能性もある)にするかの検討中。

ウイルスはソ連型(H1N1)に分類されるが我々に抵抗力はない。


フェーズ4とは「人ー人感染」がはっきりし、一定の広がりを持つ段階である。その場合日本でも対処が本格化する。患者の隔離や学校の休校、イベント自粛など経済活動にも本格的影響が出る。


重要ポイント

・菌の毒性が強いということと、流行の広がリの規模とは別に考えるべきこと。

今回の菌はH1N1型(いわゆるソ連型)の変異したものである可能性が高い。変異しているので抵抗力のある人はいない。ただ毒性は低い可能性が高い。


保菌者の容態が軽いと言うことは、患者が直ちには入院しないで動き回るということである。

したがって毒性が低いから逆に感染が広がりやすいということになる。


・早期治療が生命維持にきわめて有効である。子供の様子に細心の注意。


WHOはさまざまな条件を付けてフェーズ4(または5)の認定を行うであろう。

「人ー人感染」が存在し、それが急速に広がっことが明らかだからである。すなはち経済的影響は本格化するということである。


日本はフェーズ4の認定を待たずに水際作戦を本格化させるべきであった。

現在の対処は海外からの帰国者について希望者の診断をするという不徹底なものである。

メキシコからの帰国者だけでも検査義務を課すべきであった。このままフェーズ4に移行して、国内で患者出た場合、患者候補者は拡散してしまっており水際作戦は不可能である。


・このブログで示した

『鳥インフルエンザ、東京の直下型地震、温暖化に伴う本格的食糧危機のいずれかが3年以内に起こる確率は限りなく100%に近い』

という予測は鳥と豚の違いはあっても的中してしまったようである。


・ここから(フェーズ4への移行から)経済への影響がどこまでかのウォッチが始まる。


前回分とあわせてごらんいただきたい。