今年12月にデンマークのコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)において京都議定書後の温暖化防止の国際的枠組みが決まる(ことになっている)。


日本は2020年までの中期削減目標を6月までに決定するため「中期目標検討委員会」を政府の下に設けた。現在6つの案を検討しようとしている。削減幅はプラス6パーセントからマイナス25パーセントまでの案となっている。


IPCC(気候変動に関する政府間パネル)はプラス2℃(産業革命前比較)に抑えるには先進国は2020年に25から40パーセント減らす必要があると報告している。


したがって現在の日本で検討されている選択肢の中ではもっとも厳しいもの(25パーセント削減)がようやくIPCC要請の下限に達することになる。

しかも麻生氏は「(目標を)高くいえばいいというものではない」という立場である。


25パーセント削減の際の費用も380兆(経産省所管研究機関)から27兆円(国立環境研究所)と開きがある。前者は対策をとらなかった場合のコストを考慮してないという批判が環境団体からなされている。


・「EUが動き始めた!」

EUは従来より2020年までに最低でも20パーセント削減、他国の協調があれば30パーセント削減すると主張している。

3月13日の報道ではEUが日本や米国に24パーセントの削減を求めると報道された。

これはEUが30パーセント削減すると想定して、日本と米国が4つの指標に照らしてFUと努力の公平化を図るよう計算した結果とされる。


4つの指標とは①一人当たりの国内総生産(GDP)②GDPあたりの温室効果ガス排出量③1990年ー2005年までの削減努力④同期間の人口増加 である。


現在の議論は削減の要するコストに重点が置かれているが、削減目標を決める際の基準は何であるべきか?


温暖化には質的限界があること。すなはちその基準を超えるとCO2排出をやめても温暖化が進んでしまう"POINT OF NO RETURN”の限界値があるという点で、多くの学者の共通認識があること。


その限界値がプラス2℃であるかについては学問上の議論はあるにしても、少なくとも「予防原則」(人間による復元が困難な温暖化などの巨大現象については科学的に決着がついていなくても有力な根拠がある場合は対処するべきと言う立場)の立場に立てばプラス2度を世界の共通目標とすべきである。


エコロジカルフットプリント(人間活動の地球への負担を数値化したもの)が全世界で1を越えていることすなわち現在既に人間の営みが地球の再生可能領域を越えてしまっており、地球レベルの総和で考えると、これ以上の環境負荷の増加を伴う「発展」は持続可能ではないということ。


③温暖化対応においては、早めの対処がコスト的にも得であるという有力な報告のあること(スターン報告)。


④生活レベルを下げることなく現在到達している技術の普及、組み合わせで2050年までに70パーセント削減(日本)が可能であるという試算のあること(国立環境研究所)。


現在の日本の対処がいかに戦略を欠くものかは次回触れます。


(追記)

米国の金融対応決定版(不良資産の金融機関からの切り離し)は出るなら数週間以内に出るという前回の指摘はガイトナー発言として具体化しつつある。


まもなく最悪期の確認か、世界恐慌突入かの決着がつくとおもわれる。