資源高、穀物高に伴うインフレが世界を襲った。原油は120ドルまで急落し、さらに下降する可能性が高い。穀物は構造的高騰の第1波を終わり小休止下落状態である。


インフレ第2波は世界の工場としての中国発の工業製品の値上がりであるこれも以前触れたことが現実化してきたということであるが、中国は世界の工場の地位を失いつつある。


要因は

①内陸(農村)からの安い労働力供給が止まったこと。


②賃金が急激に上昇していること。都市部では2007年に前年比で18.7パーセント上昇した。1年で18.7パーセントも上昇し、しかも労働者の賃上げストも頻発している。背景は8パーセント(4.8パーセント以内が目標)にも及ぶ物価上昇である。


金利はインフレ対策として高目としたいところだが、足元の景気が大きく崩れる(成長率が10パーセントを下回る)兆候を示している。インフレが8パーセントで成長率が10パーセントを切るということは、実質所得が伸びず消費も低迷するということである。


2007年度には中国からの日本への輸入品価格は前年比5.7パーセント上昇した。2008年にはさらにそれを上回るだろう。日銀内からも「中国はインフレ輸出国となりつつある」との声も聞こえるという。


④すでに触れたように中国でも強力な環境シフトが始まったことである。

効率の悪い工場は次々に閉鎖されている。市場原理で採算が取れないからではなく、環境対応ができないという理由で閉鎖している。

この点を今の経済評論家やマスコミは全く気づいていない。おそらく中国の指導者はどこかの首相とは違い『環境シフトは避けられないし、早期の対応が得である』というEUと同じ認識に立ったと思われる。

環境シフトということは目先のコスト上昇を覚悟するということである。


以上の理由で第2波のインフレが世界を襲う。しかし工業製品は必ずしも生活必需品ではないので、今回の資源、穀物高のようにスパイラル的物価高とはならず、買い控えによる消費減退という結果になる可能性が高いだろう。


需要は減るが物価は下がらないという縮み志向が続くことになる。

景気回復の芽はおそらく誰にも見えていない。したがって株価の底値もまだ先である。


このような時には、景気を悪くしている根本要因が風を送る分野を探すことで先を読むべきである。