「穀物価格はなぜ上がる?」

穀物価格上昇の理由としては(1)需給の逼迫 (2)バイオエタノール用途との競合 (3)投機資金の流入があげられる。

しかしこれらは全く説明になっていない。まず(3)は基本的には原因ではなく結果である。(もちろん増幅要因になることはあるが主要因ではない)

(2)は確かに影響が出ているが、国際世論からの強い圧力を受けており、また非食物系のバイオエタノール生産研究が急速に進んでいる(本田など一部実用化のめども立っている)。

したがって中期的穀物不足要因とはならない。投機筋にとってもこの(2)に依拠した投資は危険ということになる。

(1)はここにきて急激に起こってきたわけではなく、従来より指摘されてきたことである。したがって、この間の急激な値上がりを十分に説明することはできない。


すでに『食糧危機は起こるか』と言う連載で述べた結論は『起こる』という結論である。予測どうりにその「危機」は起こりつつわけであるが、なぜ今かと言う説明が必要である。


まず根本的な問題として「穀物在庫」日数が逓減傾向を示し60日という1972年から74年に記録した最低水準に近づきつつあるということである。当時も小麦や米の値段は2倍となりアメリカも輸出規制を行った。


したがって現在の穀物価格の値上がりも『在庫日数が最低ラインの60日に近づいた』いうことで一応説明がつくのである。投機筋はこの経験則で買っていると思われる。


問題はこの先である。在庫が最低水準を記録した74年以降84年まで穀物生産量は人口増を上回る速さで増加し、在庫日数も100日前後まで伸びた。今回もそのプロセスをたどる可能性があれば投機筋はいつ売り逃げるかが課題となる。一般国民も少し我慢すればよいことになる。(途上国は現在でも大変な状況であるが)

(つづく)